モバゲータウンのPVが減少する可能性も
携帯キャリアの契約数では、ドコモが約半数のシェアを握っていることを考えれば、ドコモ、au、ソフトバンク3社のキャリアポータルと匹敵するPVを、モバゲータウンがもつ可能性は十分に考えられる。DeNAは、すでにケータイ&SNSサイトとして成長させてきたモバゲータウンを、今年から携帯総合ポータルサイトと位置づけを変えていく方針を明らかにしている。各キャリアは、公式ポータルという“圧倒的な優位性”をも危うくさせる巨大な競合サイトとして、モバゲータウンを認知していたのではないだろうか。
そういった背景での携帯フィルタリング施策は、キャリアの各社にとってはモバゲータウンの影響力を下げ、各社の公式ポータルの失いつつある影響力を少なからず取り戻せるという思惑が働いたと考えるのは、邪推だろうか。携帯フィルタリングの反響があまりにも大きかったため、ドコモは内容を一部見直す姿勢を明らかにしている。しかし、もし携帯フィルタリング施策がキャリア側のビジネスにとってあまりにも大きなものであった場合、当初から異論が出ていてしかるべきだろう。つまり、キャリア側の目立った反論や抵抗がなかった背景には、携帯のトップポータルサイトをめぐる争いがあったと考えても不思議ではないだろう。
モバゲータウンの加入者の約29%が18歳以下であり、今回のフィルタリングの影響を受ける18歳以下のユーザーがアクセス不能となった場合、単純に考えてモバゲータウンのPVは約30%近く減少すると予想できる。携帯フィルタリングには、モバイルポータルというチャネルを巡る各社の競争がもうひとつの背景としてあるのかもしれない。

