大きな効果を担保する、ネイティブ広告対応の実現
さらに媒体社、広告主それぞれの立場が効果を実感できるのが、ネイティブ広告に対応する点だ。C Channelを例にするなら、既にFacebookにおいて高い精度で女性(C CHANNELターゲット層)へのターゲティングができていることに加えて、C CHANNELアプリのUIにあわせた、オーガニックの特集や記事、サムネイルの見せ方に準じた表示で、広告配信できる。

「ユーザーの利用体験を損ねず、より自然な見え方で広告配信できます。もちろん、C Channelだけでなく、パートナーの媒体社さんすべてで可能です。各媒体社さんのUIにあわせてフルカスタマイズし、各媒体の意向にあわせて表示できます」(Facebook 鈴木氏)
媒体社側は、広告を挿入しても媒体の世界観が損なわれず、ユーザー体験を損なうこともない。UIになじんで表示できる恩恵は大きい。広告主側も、媒体になじんだネイティブ広告のほうがより効果が見込める。

こうした広告メニュー提供の先に、Facebookが見据えているものは何か? それは、プレイスメントオプティマイゼーション(配信面の最適化)だ。
「私たちFacebookが目指すのは、広告メニューの使い分けを意識させないことです。今Facebookの広告配信システムでは、FacebookのニュースフィードやInstagramのフィード、オーディエンスネットワークなどに対して、都度、最も効果が出やすい面を自動で割り出して、配信しています。これによって、媒体社と広告主、エンドユーザーの各者が効果や恩恵を感じられるはずです」(Facebook 鈴木氏)
2017年、インストリーム動画広告も開始
今後の展望についてFacebook鈴木氏に尋ねると、2点あるという。
1点目は、媒体社の新規開拓の加速化だ。2016年10月、日本市場向けにオーディエンスネットワークの専任チームができ、急ピッチで配信面の最大化の注力を図っている。今後、世界で400万社の広告主と月間10億人というユーザーを抱える点を訴求しながら、賛同する媒体社の数を増やしていく。
もう1点が、2017年2月より媒体社向けに新たにインストリーム動画広告を開始したことだ。テストを経て正式提供が始まったもので、媒体社は自社のウェブサイトやアプリで、インストリーム動画広告による収益をあげることが可能となった。だが、ユーザーが見たいと思って再生した動画の前後や、再生途中に動画広告を流すことはユーザー体験の損失につながるのではないだろうか?
「そこでこそ活きるのが、Facebookの高いターゲティング機能です。ユーザーそのものに親和性の高い動画広告が流れるので、むしろ“自分の知らない情報に接触している”と感じてもらえやすい。さらにそう感じてもらえる雰囲気づくりが直近の使命です」(Facebook 鈴木氏)
一方のC Channelは、媒体方針としていわゆる広告っぽい広告を掲載する考えを持たない。だからこそ、ネイティブ広告をサポートするオーディエンスネットワークの利用は、媒体社の観点から目的が一致する仕組みだ。
「マネタイズでは、他のアドネットワークよりeCPMが高いので、もっと強化したいです。出稿面では、出稿の比率を上げるとともに、C CHANNELがアジアを中心にグローバル展開する中で、現状は海外に向けてオーディエンスネットワークを使用していませんが、新たな導線づくりの選択肢になれば、とも考えています」(C Channel鈴木氏)