2017年3月の「MarkeZine Day Spring」では、昨今話題になっているマーケティングのデジタル化の加速について様々なセッションが展開された。電通デジタルでアナリティクス事業部長を務め、グローバルに展開する分析会社Data2Decisionsの日本代表でもある濱口洋史の講演では、マーケティングのROI最前線から「何をどうすれば、どれだけ売れるのか」に迫るというタイトルで、最先端のマーケティング論が展開された。
経営者が知りたい、たった二つの指標とは?
濱口氏によると、米国の広告調査協会ARFが主催した、広告代理店の人間が集まるカンファレンスで次のような言葉が提起されたと語る。
一つ目は、マーケティング投資は売り上げや利益に成長をもたらしているのか。二つ目は、マーケティング投資を月に1ドルもしくは日本円で1円使うとしたら、どこに使えばいいのか。「経営陣が知りたがっていることは、シンプルにこの二つしかない」と濱口氏は言う。

そこで濱口氏は、利益を正しく理解しながらマーケティングプランニングを考えていくための二つの視点を述べた。
一つ目は、「売り上げは、マーケティング施策の積み上げである」という視点だ。たとえば売り上げが100あったとして、実はその10%は値引きによって作られたのかもしれないし、5%はソーシャルの活動のおかげで作られたのかもしれない。売り上げが複数のアクティブの結果として形成されている、と見ることが必要だ。

二つ目は、「売り上げは、消費者一人一人の購入行動の積み上げである」という視点。売り上げが100だったとしたら、そのうちの80は常連客の購入であり、残りの20%はライト層の消費者の行動で成り立っている、と区別する考え方である。

この二つの視点をもってプランニングや戦力を立て、効果検証していくことが非常に大事になってくるという。
ROIをベースにマーケティングを考える
具体的な施策として、濱口氏は次のように述べた。
一つ目はマーケティング施策の積み上げ。売り上げは値引きやSNS、ネット広告によって成り立っており、これはROIがベースになっている。ROIとは「Return of Investment」の略称だ。たとえば、テレビ広告に1円出稿して売り上げが2円上がるのであれば、売り上げベースのROIは「2」となる。施策ごとにこのROIを活用し、予算の設定や配合、施策の効率性の管理を回していくことで、より売れるマーケティングを実施していくことができるのである。
二つ目は消費者一人一人の購入行動の積み上げだ。たとえば、どこの誰がどのように売り上げを支えているか、購買データを使いながら明らかにしていくことによって、ROIを前もって意識したプランニングができる。
ROIがわかれば様々なことが判明する。たとえばマーケティング予算を1億円から50億円に変化させた際の売り上げの変化が、シミュレーション感覚で考えられるようになるなどの利点がある。
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ヒロ88(ヒロハチジュウハチ)
ビジネスジャンルを中心に取材、編集を行なう。得意ジャンルは不動産開発、メディア開発。1988年生まれ。
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