キーマンを見極めて商談に進む
「リードを育成して商談を増やしたい」という目的には、育成をしても案件にならないという課題の解決が必要となる。
「営業収益性を考えると、リターンをいただけるお客様を中心に営業していくべきですし、そこできちっと成約させなければなりません。ターゲットを決めなければ、結果的にロスが生じます。育成しても案件にならないというケースを減らすためにも、対象キーマンが誰なのかをしっかり決めた上で、マーケティングオートメーションを設定します。大企業の場合でも中小企業の場合でも、最初にターゲットを決めることが必要です」
そこで小野氏が提唱するのが、ABM(アカウントベースドマーケティング)という機能だ。これを導入することで、何が変わっていくのだろうか。
「ABMではまず企業の選定から始まります。選定した企業の中で、キーパーソンは誰なのかを見極めた上で架電・商談に向かうというプロセスになります。企業・組織単位でグループを作り、その中のキーマンをうまく選定・抽出します」
ABMを実践するための注意事項がいくつかある。一つは、「顧客データの精度」だ。顧客リスト購入の手段がない、あるいは取引先のデータが整備されていないと、確度の高い選定ができない。もう一つが、「キーパーソンのわかりにくさ」。日本の企業の場合、複数の人間が決裁プロセスに関与していることが多く、最終権限をもっているのが誰かがわかりにくい。では、どうすればいいのだろうか。
「対策は二つあります。一つは、クレンジングサービスや外部企業データベースの他、名刺データを活用すること。もう一つは、営業担当者からのヒヤリングを行いながら、SNSデータを活用することです」
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