今後は、SNSでの「エンゲージメント数」がメディアの価値を決める
では、自サイトのみにとどまらず、SNSでもコンテンツ配信をはじめたWebメディアのパフォーマンスを正しく評価する新たな指標とは何なのでしょうか?

それが、本連載でも常にウォッチし続けている「エンゲージメント数(SNS上でのいいね、シェア、コメント等の数)」です。スパイスボックスでも独自の計測ツールや分析サービスを提供していますが、自サイトの掲載記事のほか、SNSにポストした動画や記事のエンゲージメント数をトータルで計測することが可能です。つまり、あるコンテンツが“実際にネット上でどれほど多くの生活者に「シェア拡散されたか」”を実数で明確に計測することができます。
生活者やプラットフォームがメディアに求める役割が変化している中、現在では、「SNS上でシェア拡散力がある(=エンゲージメント数が高い)メディア」が、ユーザーにとっても、広告主にとっても、価値の高いメディアだといえそうです。
影響力を持ち始めた分散型メディア
それでは、今シェア拡散力が最も高いメディアとは、どういったメディアなのでしょうか?
その答えの一つが、自身のサイトを持たずにSNSだけでコンテンツを発信する「分散型メディア」です。数年前から海外を中心に頭角を現してきた分散型メディアは、Facebookをプラットフォームにして一気に「いいね!」数を獲得し、SNS上では大手ポータルニュースサイトを凌ぐ影響力を持つまでに成長しています。
このメディアの特徴は、コンテンツのフォーマットの多くが「動画」だということ。世界的に有名なのが「NowThis」です。「NowThis」はテレビネットワークの資本が入っており、膨大なニュースコンテンツ映像の中から素材を選び、SNSでシェア拡散しやすい編集、加工を施して、自社のSNSアカウントで発信しています。国内においても、「DELISH KITCHEN」などが出てきており、企業のマーケティングで活用されるケースも増えてきています。
このように、分散型メディアは、徹底してSNSプラットフォームでトラフィックを稼ぐことに注力しているメディアです。その追求の中で、エンゲージメントを重要指標に据え、プラットフォームのアルゴリズム変更にも迅速に対応するため、当然のこととして「シェア拡散されやすいメディア」となっています。また、コンテンツの権利問題などで淘汰が進むバイラルメディアやキュレーションメディアも、「いかにコンテンツをシェア拡散させるか」に編集方針の軸を移し始めてきています。
当たり前の話ですが、シェア拡散されるメディアとは「ビジネスモデル自体、エンゲージメントを中心に設計しているメディア」ということができます。

 
                    
                     
                    
                     
                    
                     
                    
                     
                    
                     
                    
                     
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                    
                                     
                                    
                                     
                                    
                                     
                                    
                                     
                                    
                                     
                                    
                                     
                                
                                 
                                
                                 
              
            