存在感増す、インフィード広告
ネイティブ広告という言葉と同時並行で認知が進んだインフィード広告は、急速な市場を進めており、バナー型のディスプレイ広告と並びネット広告の主流な広告フォーマットとして定着した。現在では、大手ネット広告代理店を中心に、「インフィード」を冠にした部局として組織が構成されるなど、ネット広告市場における地位を確立させている。
サイバーエージェントは今年2月下旬、インフィード広告の市場調査の結果を公表した。この調査は2016年に続き2回目となる。
インフィード広告市場成長の背景は、ユーザーのネット利用のスマートフォンシフトやソーシャルメディア利用拡大が大前提にあるが、本稿ではこのプロジェクトに調査機関として参画しているデジタルインファクトが、この予測の詳細の解説と共に、その内側にある、この急成長市場のメカニズムに迫る。
2016年の急成長要因は、FacebookとLINEにあり
まずは、インフィード広告市場全体の数字について。2016年の市場規模は、1401億円で前年比180%増という高い成長を遂げた。この数字は、2016年年初の見通しよりも、100億円以上の上振れとなった(参考)。その大きな要因は、後に触れるがFacebookとLINEが年初予想を上回る売上の急成長を遂げたことにある。
スマートフォン比率については、既に97%に達しており、“インフィード広告=ほぼスマートフォン広告”であることは明白である。
また下記のグラフでは、アプリとWebそれぞれのプロモーション需要について区分けをしているが、アプリプロモーション需要の比率は前年とほぼ変わらず24%程度にとどまった。
アプリプロモーション需要は、ゲームアプリの需要が大きいが、2016年はECや、不動産、情報サービスなどのカテゴリーでの需要拡大が顕著であった。
一方のWebプロモーション需要は、広告主規模の大小を問わず出稿が進み、また業種も広がることにより、ほぼ“インフィード広告の出稿業種=ネット広告の出稿業種”という図式になりつつある。それもそのはず、現在インフィード広告を提供している媒体が、ネット広告市場の主要媒体に他ならないからだ。