ユーザー行動とタスクフロー設計の守るべきルール
正解を見つけるものではない
こういった形でフレームを使いユーザーの行動をまとめようとすると、精度を気にしすぎて、完璧なものを作りたくなってしまいがちです。しかし、想像で描く限り、100%描いた通りにユーザーが動くことはあり得ません。
描いたものをもとにして仮説立てをし、運用をしてみて「ここ、仮説と違ったね」「こういうパターンもあるよね」というように、変化させる、増やすことを前提に考えましょう。あくまでこの図は、チーム内での認識やユーザー感情の捉え方を一致させ、認識の差異が出ないようにするためのものです。
自分の想像の範囲で考えない
では適当に作っていいのかというと、それもまた違います。自分の想像する範囲で考えると、自分にとって都合のいい設計となってしまい実態とかけ離れてしまいがちです。ユーザーインタビューやリサーチデータを利用し、他のメンバーと議論をしながら組んでいく必要があります。
コミュニケーションを細かく分解し、感情を読む
マーケティングの全体像が見えてきたところで、Webでの設計に移っていきます。広告によって、誰にどのような感情をもってサイトに訪問してもらうか、そのための広告手法はどのように設計すればよいかは、第1、2回で「ダイアグラムで描く感情設計」としてお伝えしてきました。
ですので、今回はサイトに訪れた後の設計をしていきます。イメージしやすいよう、「転職サイト」を例にタスクフローを書いてみました。

ユーザーがオンライン上でサービスと接点をもってから、Webでのコンバージョンに至るまでに何をするか、どんなページを辿りどんな操作をするのかを一連の流れで書きだします。これがユーザーのタスクフローです。
しかし、このタスクフロー通りに進んでくれるユーザーはかなり少ないと思います。大切なのは、これをスタートからゴールまで100%想像通りに進んでもらうためのものではないと認識すること。そして、1つひとつのフローの矢印の歩留まりを減らすために改善することなのです。各タスクでの離脱が少なくなれば、おのずと成約数は伸びていきます。
そのために、理想通りに進んでくれる人は「なぜ進んでくれるのか」、歩留まりや離脱が起きてしまう人は「なぜ進んでくれないのか」をユーザーの言葉で書き、進んでくれない人をどうやって進ませるのかを施策として考えていくのです。