なぜ物語が「態度変容」に効くのか?
現在のマーケティングでは、いかにユーザーが集中して広告に接触してくれる時間を長くするか、という事が大切になってきています。それが態度変容に大きく影響するからです。そして、コンテンツマーケティングでは、物語性を取り入れることで、長時間、ユーザーに訴えかけることができるようになります。では、どうやって広告と物語を合体させればよいでしょうか。
一つの例として、映画の脚本パターンを応用し、ストーリーを広告表現に落とし込む具体例を紹介します。H.I.S.とは、先ほどのコンテンツとは別にハワイ旅行をテーマとした広告マンガも制作、配信しました。このコンテンツでは、映画の脚本パターンが活かされています。
企画ではまずあらすじを考えますが、映画の脚本パターンに当てはめ、次のようにしました。

- 愛情:主人公が大切にしているのは彼女
- 悲劇:彼女が別れたがっている
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葛藤:ハワイ旅行で挽回しようとするが、ハワイに行った事がない
※H.I.S.が仲間として登場し、こっそりと主人公をサポートする - 帰還. 無事彼女の愛情を取り戻し、日本に帰っていく
もちろん物語のパターンは沢山あり、商品の出し方も様々です。ですが、毎回ゼロから考えると大変なので、ある程度類型化した型を作り、こういった商品ならこの物語と組み合わせられる、というパターンをストックしていきます。
オムニバスか、物語か
初期のネットコンテンツは「かわいい猫10選」といったオムニバス形式の記事が大半でした。手軽に作れて軽く読めるので、PVとバズと認知獲得なら有効です。しかし、オムニバス形式だと接触時間が長くは持ちません。
一方で物語は作るのが大変ですが、見てもらえる時間を大幅に増やせ、特定のメッセージを埋め込めることができます。態度変容を起こすのが目的の場合、伝えたいメッセージをまず決めて、それに沿って物語を作っていきます。
先ほどのH.I.S.のマンガでは、H.I.S.は現地サポートが充実しているのが大きな特徴ですので、現地サポートが一番必要な人を主人公にしよう、「ハワイに行ったことがあると見栄で嘘をついてしまった主人公」というのが企画の核となっています。
毎回、課題と伝えたいメッセージは変わるので、そのオーダーに対してどういった物語を作れるか? というのが腕の見せ所であり、コンテンツマーケティングの成功の重要な要素となります。
成功への7つのプロセス
コンテンツマーケティングを成功に導く大切なプロセスは、「金、時間、広告、感情、変化、計測、発展」の7つです。
- 金:そもそも制作費を生み出す仕組みが必要
- 時間:制作費によって5分読まれるコンテンツを作る
- 広告:コンテンツと商材のテーマを合わせる
- 感情:笑わせ泣かせて心を動かす
- 変化:商品の見方を変える(理解、好意、購入意向)
- 計測:態度変容を計り、継続受注する。
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発展:コンテンツを産み出し、そのメディアの影響力を発展させる
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このように非常に疲れる、ややこしいプロセスを経ないとコンテンツマーケティングの真価は発揮できません。取り組む前に心が折れそうになってしまうかもしれません。制作費、予算獲得の時点でハードルを感じる方も少なくないでしょう。しかし、時代の流れが後押ししてくれるはずです。最近では、多くの企業がコンテンツへ投資する額を増やしてきていることを実感しています。