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【別所哲也×本田哲也】Wテツヤが語るこれからのブランドとブランデッドコンテンツ

ブランデッドコンテンツの効果をどう見ていくべきか?

本田:ブランデッドコンテンツの効果測定においてまず重要なのは、目的をはっきりさせるということ。当たり前のようで、意外とあいまいになってしまうケースも少なくありません。

 目的がブランドへの好意度向上なら、明らかにそれを測るべき。それは、シンプルにコンテンツに接触した人とそうでない人との差、変化でも見ていくことができます。

 やっかいなのは、目的が売り上げだという場合。私は、ブランデッドコンテンツだけで売るというのはおこがましい考えではないかと思っています。現代では、複雑な情報接触の上で購買行動に至るわけですから。ですので、カスタマージャーニーの中でどこにブランデッドムービーを効かせるか、仮説を立てる必要がある。たとえば、使ってもらわないとよさのわからない商品だったら、使用感を疑似体験させるためにブランデッドコンテンツを作ろうといったように。これなら、売り上げに近いところにコンテンツを機能させられます。

別所:テレビCMの指標であるGRP(延べ視聴率)にしたって、実際は見たからといってそこからどれだけ購買につながったかは正確にはわからないわけです。オンライン動画の効果測定でも本質的には同じではないでしょうか。ターゲットをしっかり決めて、その層にしっかり訴求するものにできたかを見つめることが大切かなと。

 今はトーストを焼く機能しかないけど、それだけは最高に仕上げるという単機能の高級トースターが売れる時代。その人の価値観やライフスタイルにどれだけハマるかが大事なんですね。だからこそ、企業もインサイドストーリーを見せていくべきでしょう。

賢い生活者には見せるべきものは見せていく

別所:僕らのいる演劇界でもリハーサル風景を公開していくというのが一般的になっています。最初は大きな議論を呼びました。ネタバレになるし、スッピンの俳優なんて見せたらチケットが売れなくなるって……。今は真逆。全部見せる流れ。それがファンづくりになるからです。舞台裏を見ているうちに自分ごと化してくるわけです。俳優も自分の子どものように感じてきて、「チケット買って応援しに行かなきゃ!」という気持ちになる。

 企業でも、開発の経緯から全部見せていったほうがいい時代なのではないでしょうか。

本田:企業の場合はセキュリティー面に気をつける必要はあるでしょうが、裏側を見せる取り組みも進んでいますね。

 実際、生活者も賢くなっていて、舞台裏のことをわかってきていますから。舞台裏があることはもちろん、そこで何が起きているかもなんとなく想像がついている。だから、下手に隠すと、なんか怪しい感じすらしてしまう。見せるべきものは見せていくべきでしょう。

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ブランデッドコンテンツに取り組むマーケターに向けて

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この記事の著者

市川 明徳(編集部)(イチカワ アキノリ)

MarkeZine編集部 副編集長
大学卒業後、編集プロダクションに入社。漫画を活用した広告・書籍のクリエイティブ統括、シナリオライティングにあたり、漫画技術書のベスト&ロングセラーを多数手がける。2015年、翔泳社に入社。MarkeZine編集部に所属。漫画記事や独自取材記事など幅広いアウトプットを行っている。
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※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2017/08/01 10:00 https://markezine.jp/article/detail/26743

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