ブランドと消費者の距離を密接にしたい
MarkeZine編集部(以下、MZ):今回はライブ動画の活用事例についてお伺いします。まず板倉様のプロフィールを教えてください。
板倉:現在、ヘアケアのブランドであるLUXのマーケティングを担当しています。我々の会社のブランド担当者は、製品開発から発売後のマーケティング施策まで統合的に見ていく必要があるので、私も同様のミッションを背負っています。
MZ:ルミニークはどういったブランドなのでしょうか。
板倉:ノンシリコンシャンプーのブランドで、ノンシリコンの中でも少し高い価格帯の領域で戦っていきたいというところから2012年に誕生しました。これまでのLUXのブランドで獲得できていなかった新規のユーザーに使ってもらうのがブランドの役割です。いくつか競合がある中で、ノンシリコンの中ではナンバーワンのブランドであると自負しています。
MZ:今回どのような経緯のもと、ライブ動画を採用するに至ったでしょうか。
板倉:ブランドと消費者の距離を近づけたいと思っていたのが大きいですね。昨年のラックスの別ブランドでの実績もあり、ライブ動画にはその距離を埋める力が備わっていると仮説を立てていました。どうしても、TVCMやネット広告の動画素材だと作りこみすぎてしまう。今回の施策を通して消費者の方々には、リラックスしてもらいたいというコンセプトもあったので、そういった観点からもライブ動画が適していると考えました。
ライブ動画が持つ「お祭り感」
MZ:ライブ動画の施策のメリットは距離の近さということですね。
板倉:広告としてライブ動画を捉えた時、特定の時間しか閲覧できないことから、リーチさせることは難しいと思っていました。しかしながら、それよりも消費者との距離を縮められる可能性に投資をしたかったんです。
また、今回4回放送を行う中で、回を追うごとに盛り上がりが大きくなり、特にライブ中に可視化される視聴者の反応もコンテンツの一部になってくるので、個人的にはお祭り感があって良いと思っています。施策に対する投資の仕方も事前に盛り上げや、放送後のフォローアップなども含めて試行錯誤しましたね。
MZ:ライブ動画を単発ではなく、複数回配信しようと思ったのは、どうしてでしょうか。
板倉:キャンペーンを行う以上、1回だと評価がしづらく意味がないと思っていました。初めての試みで、コンテンツの内容もきちんと固まっていなかったため、施策のPDCAを回しながら知見を貯めていきたいという狙いもありました。