消費者の「ストーリー」を重視/オンラインレビューが秘めるパワー
消費者の口コミが商品販売に与える影響は想像以上に大きい。特にEC市場が拡大している現在、消費者によるオンラインレビューやレーティングは、ブランドマーケティングの要となっている。
オランダ・サッセンハイムを本拠地とし、今年日本に進出したStars and Stories(以下、スターズ・アンド・ストーリーズ)は、商品をテストし、評価してくれる最適なユーザーを見つけ、ステルスマーケティングとは一線を画す「正直な」レビューを集めることで、商品の売り上げアップに貢献している。
ある日、洗濯機が突然壊れた。新しいのを買わなくては……と思っていたところ、15分後に妻が来て、もう購入したという。「どうしてそんなに高いものをそんなに早く決めるのか?」と聞いたら、「ネットで価格を比較して、レビューを読んで決めた」との答え。
スターズ・アンド・ストーリーズの創業者でCEOのヨルン・デン・ボック氏はこのとき「オンラインレビューのパワー」に気づき、これで何かをしたいと考えた。
企業名の「スター」はレーティング、そして「ストーリーズ」はレビューを表している。デン・ボック氏が重要視するのは特に「ストーリー」の部分。「本当に商品に興味があるユーザーが実際にそれを使ってみて、どのように生活にフィットしたか」という話が欲しいのだという。
同社が扱う商品は主に、コンシューマー・エレクトロニクス。ライフサイクルが長く、誰にもわかりやすい商品であるのが特徴だ。ファッションのようなライフサイクルが1年以下の商品だとレビューへの投資は無駄が多くなるが、ライフサイクルが長い商品は発売当初にたくさんのレビューを集めた後、その後もずっとレビューが影響力を持ち続けるという利点がある。