広告主の「ワガママ」のKPI化が成功の秘訣
――今、データ連携のお話が出ましたが、広告主がAppLovinさんでの広告配信効果を高めるための最重要ポイントは何でしょうか。
萬野:広告主様と私たちの連携は大きな要素ですね。最初に広告主様とお打ち合わせをするとき、「なるべくワガママを言ってください」とお伝えしているんです。「これはできないんじゃないか」と思っていらっしゃることも、実現可能なことが多いです。「ワガママ」をKPIに落とし込めると、満足いただける結果につながりやすいです。
KPIと最終的なゴールをしっかりすり合わせることができれば、私たちはそれに合わせて提案できるので、どんな業種や商材でも使っていただけると思います。
林:仮に広告主様がCPI目標を示されて、アドネットワークが目標を達成したとしても、獲得したユーザーのうち10%しか継続してくれなかったら意味がないですよね。まったくサービスを使ってくれないユーザーを大量に獲得して、CPIだけ下がっても仕方ないのです。
広告主様が本当に望んでいるのが、継続的に利用するユーザーの獲得なのか、課金の確率が高いユーザーなのか、インストール後に目指しているKPIを話してもらうことが、効果を最大化するのに重要ですね。
萬野:クリエイティブ面でいいますと、今回はDELISH KITCHENさんが縦動画をお持ちだったことも、効果が高かった要因のひとつだと思います。動画コンテンツ視聴以外は、カジュアルゲームを含め縦でスマホを使うことがほとんどなので、UXとして縦動画のほうが適している配信面も多くあります。なので、通常の横動画に加えて縦動画を追加することでパフォーマンスを最大化できます。
リテンションのためのリターゲティングを今後模索
――最後に今後の展望をうかがえますでしょうか。
中村:DELISH KITCHENとしては、まず新規獲得でいうと、よりROIの高いプロモーションを実施して、なるべく使い続けてくれるユーザーの獲得を狙っていきます。同時に、今使っていただいているユーザーのリテンションを促すリターゲティングのアプローチもAppLovinさんと検討しています。
林:現状だと動画広告への出稿はゲーム系広告主様の方が積極的に利用されております。ただ、弊社のプラットフォーム自体は多くの非ゲームの企業様にもご利用いただいていますし、ゲーム企業様以上に規模が大きく効果が出ているキャンペーンも多くあります。
今後は、より非ゲーム企業様に積極的にご出稿いただけるようなサポート、例えば、こういった事例を紹介する機会を増やしたり、またより非ゲームクライアントさんに効果が高い、プレミアム媒体の配信面を増やしていく予定です。
萬野:クリエイティブについてお話ししますと、「これが効く」という法則は難しいものの、「この方法はまずい」というのはわかってきています。バナーと違って動画広告では大規模なABテストは難しいので、グローバルでずっと動画広告配信をしてきた知見を活かして、広告主様のクリエイティブ最適化をより支援したいと思っています。