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イベントレポート

ただのアクセス解析ツールじゃない!Adobe Analyticsを知り尽くした識者が語る、その魅力

運用成功の肝は、社内にファンを作ること

安西:続いて、運用に関する話題に入りたいと思います。導入だけで終わってしまうことを懸念されているお客様が多くいらしゃると思うのですが、しっかり運用するためには、どのようなスキルや人材、組織が必要になるのでしょうか?

宇佐美:導入だけで終わってしまうケースも残念ながらあります。またAdobe Analyticsを使っているとしても、ただのアクセス解析ツールとしてしか活用できていないケースもありますが、このケースも導入だけで終わっていると考えても良いかもしれません。

 じゃあどうすれば良いのかという話になりますが、これにはAdobe Analyticsのファンをつくることが一番です。活用するためのスキルを習得させるために社内でトレーニングして、インセンティブを与えながら活用を促進させようとしたとしても、担当の業務や役割にマッチしていないと、結局人は動きません。社内でAdobe Analyticsの活用を推進する人を擁立して、その人がビジネスプロフィットを出すプランを作成するなどして、社内での支援を行っていくことが必要です。逆にそこまでしないと、日常の業務で終わってしまうのではないかと思います。

鈴木:導入を進めているのがIT部門の人なのか、マーケティングを担当している人なのかでも対応は異なりますね。マーケティング部署の方は、消費者のことをよく考えているし、商品・サービスのことをよく理解していますが、HTMLの知識などAdobe Analyticsの運用に必要なスキルは持ち合わせていません。マーケティング部門の方はこの領域に苦手意識をもっている方が多いので、最初にどんなコミュニケーションを取りたいのか、何を知りたいのかなどのストーリーを定めてもらってから導入を進めていきます。

 反対に、IT部門の人は知識やスキルはお持ちなので、早々にAdobe Analyticsについて勉強してもらって自社内で自走できるように導入を進めていきます。自社内での自走が実現すると、社内におけるIT部門のプレゼンスが向上しますし、マーケターとのコミュニケーションも活発になるなどメリットが沢山出てきます。どの部署が主眼となって、導入を進めているのかによって考え方を変えることもポイントだと考えていますね。

オンラインもオフラインもトータルで考えよう

安西:デジタルマーケティングの領域における今後のポイントはなんでしょうか?

鈴木オンラインとオフラインの境目がなくなっていくことでしょう。デジタルが特別ではなくて、オンラインとオフラインが溶け合い、ストーリー性を意識してデータを見ながら、お客様と向き合っていければと思っています。

宇佐美:今は、自社サイトもソーシャルも広告も全部ひっくるめて考えなければなりません。昔のようにオウンドメディアのアクセス解析だけでよかった時代から変化しています。

 そこで、全体の流れを包括的に見ていこうとすると、数字にこだわりの強いマーケターは特に、計測できない数値が出てきた時にそこで行き止まりだと捉えてしまうんです。そうではなくて、一歩引いて全体を見ながらデジタルマーケティングに取り組むことがとても大切全体を見渡して、他のチームとコミュニケーションを取りながら、取り組める企業が勝つのではないでしょうか

江尻:最近、ある家電メーカーの方からご相談を受けまして、3億円で新しく店舗を新設するか、もしくはデジタルマーケティングをするかで迷われていたんです。コストや規模がまったく異なる選択肢ですよね(笑)。

 しかし、これはオンラインとオフラインの境界線があいまいになっていることの表れだと考えています。オンラインでもオフラインでも、仮説を立てながらトータルで考えることが重要になってくると思います。

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この記事の著者

松崎 美紗子(編集部)(マツザキ ミサコ)

1995年生まれ。早稲田大学商学部を卒業後、新卒で翔泳社に入社。新入社員として、日々奮闘中です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2017/10/10 11:00 https://markezine.jp/article/detail/27184

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