企業が演出したものが好まれない昨今、ユーザーの自然な感情の表れとして作られるUGCは、企業にとっては大きな資産だと言えます。どうすればユーザーが自発的にコンテンツを作ってくれるようになるのか、どうやってそれらを活用すればいいのか、実験段階にある企業も多いのではないでしょうか。
10月25日(水)から購読できる定期誌『MarkeZine』第22号では、「UGC活用の成功法則」を特集。ハーゲンダッツ ジャパン、サントリーコミュニケーションズ、はてなの3名にUGCを有効活用する秘訣をうかがいました。下記にて概要を紹介しています。
また、巻頭インタビューでは日本国内で「フライング タイガー コペンハーゲン」を展開するZebra Japanの柘野英樹さんが登場。ファン起点のコミュニティマーケティングについて取材しました。
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特集:ハーゲンダッツ流UGCマーケはファンの声起点で
アイスクリームの蓋を開けたとき、凹み(クレーター)がハート型だったらちょっと嬉しくなります。ハーゲンダッツでは、もともとファンが発見したこの「ハーゲンハート」をキャンペーンに活用。その写真をSNSにハッシュタグと一緒に投稿してもらうよう促すことで、ユーザーに楽しんでもらえ、様々なメディアにも取り上げられました。
「ハーゲンダッツのファンは強い愛着を持ってくれている」と話すのが、同社の續怜子氏。2013年頃からSNSを通じてファンの声を拾っていましたが、2015年くらいからは積極的に投稿し、毎月の新商品の認知経路として活用。特にTwitterでインタラクティブなコミュニケーションを行うようになったそうです。
新商品の存在を知ったらリツイートするだけでなく実際に購入するというファンが増えてきているのが大きなポイント。これからは反応の数だけでなく質も見ていかなくてはならないという續氏に、同社のUGCマーケティングについてうかがいました。
特集:SNS上の声は宝の山 「みんなの声」でファンを可視化
かねてブログやSNSに力を入れてきたサントリー。今年からブランドコミュニケーションを担う新会社としてサントリーコミュニケーションズが設立されました。同社の施策においては、生活者の投稿を集約するサイト「みんなの声」が重要な位置を占めています。
坪田恵子氏は、今は60のブランドが「みんなの声」を活用していると言います。SNS上の声はコントロールできないもので、ブランド側から発信したい情報と合致するわけでもありませんが、だからこそ声をそのまま受け止めて、参考にすることが大切だと考えているとのこと。
では、生活者はどのような動機で投稿してくれるのでしょうか。坪田さんはそもそもサイトに掲載されることが嬉しいという反響に驚いたそうです。企業と生活者が横並びに立っているという今、「参加させていただく」姿勢を貫く同社のUGCマーケティングに迫ります。
特集:ブログ記事をネイティブ広告に活用する仕組み
ブログサービスの巨塔、はてなではUGCマーケティング事業が展開されています。はてなダイアリーおよび後継のはてなブログとも、SNSの気軽さとは異なった、熱量のある記事が注目され話題になることが多いのが特徴。ユーザーコンテンツ活用型ネイティブ広告はそこに目をつけたものとなっています。
たとえば企業スポンサードの「お題キャンペーン」は、企業が訴求したい商材やテーマに沿ったお題を出し、ユーザーが投稿した記事をプロモーションに活用できる仕組みです。書くネタがないけれど何か書きたいユーザーは、かなり考え抜いた長い記事を投稿することもしばしば。そんな記事がネイティブ広告になれば共感を呼びやすいのはもちろん、執筆しているユーザー自身もずっと企業と接点を持ち続けるという点も見逃せません。
同社の大久保亮太氏は、書かれたくない事柄があったりネガティブな記事が出てほしくなかったりする企業には、UGCの利用は合わないと注意を促します。ただ、企業の直接的で一方的な発信は見向きされない時代。質の高い記事を書けるユーザーとそのコミュニティを持つ同社は、UGC活用の最先端事例と言えるでしょう。
『MarkeZine』第22号(2017年10月号)目次
Insight(巻頭インタビュー)
店舗でのインスピレーションを大切に ファン起点のコミュニティ形成図る
Zebra Japan 柘野 英樹
Feature(特集) UGC活用の成功法則
ハーゲンダッツ流UGCマーケはファンの声起点で
ハーゲンダッツ ジャパン 續 怜子
SNS上の声は宝の山 「みんなの声」でファンを可視化
サントリーコミュニケーションズ 坪田 恵子
ブログ記事をネイティブ広告に活用する仕組み
はてな 大久保 亮太
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