データ通信の利用に違いはあるか
契約先によってデータ通信の利用に違いはあるのだろうか。スマートフォンユーザーを対象に、WebサイトやSNSの閲覧、動画・音楽のダウンロードなど、データ通信が必要なサービスの利用実態について「利用率」を比較した(図表1)。
データ通信の利用率は、動画・音楽サービス、SNS・ゲームアプリにおいて格安SIMユーザーより大手キャリアユーザーの方が高かった(図表1左)。各サービスのデータ通信方法は契約先にかかわらず、ほとんどがモバイルデータ通信とWi-Fiの両方を利用、もしくはWi-Fiのみを利用している。Wi-Fiのみの利用率を見ると、格安SIMユーザーの方が動画・音楽サービス、アプリのアップデートは高くなっていた(図表1中央)。
次に動画・音楽のストリーミング再生の利用時間について、大手キャリアユーザーと、大手キャリアから格安SIMへ乗り換えをしたユーザーを比較すると、両ユーザー間で利用時間にはほぼ差はなく、またモバイルデータ通信を利用する割合にも大きな差は見られなかった。動画・音楽サービスの利用率は格安SIM/大手キャリアで異なるものの、利用方法に違いはないようだ。
大手キャリアから乗り換える前は
では、大手キャリアから格安SIMへ乗り換えたユーザーは、その前後で利用方法に変化はあったのだろうか。
モバイルデータ通信による利用について見ると、減少したとの回答は「Eメール」「動画のダウンロード」「アプリのアップデート」「動画のストリーミング再生」「音楽のダウンロード」の順に多く、2、3割程度。一方、現在Wi-Fiのみ、もしくは利用していないサービスについては、ほとんどのサービスが「以前からWi-Fiのみ利用」、または「以前から利用していない」ことが多かった。意外にも、利用方法は乗り換え前から変わらないユーザーが多いようだ。
なお、「動画・音楽のストリーミング再生をモバイルデータ通信で利用することが減った」というユーザーを対象にその理由を確認したところ、「Wi-Fiの利用が増えた」が40%で最も多く、次いで「通信量が気になるから」が38%、「通信速度が遅いので、快適に見られなくなった」が22%だった。少なくとも一部の格安SIMユーザーでは、データ通信量が理由でモバイルデータ通信の利用が減少しているようだ。
データ通信量の管理意識は
続いて、データ通信量の管理意識について聴取した。
「データ通信量を管理・注意している」のは格安SIM/大手キャリアユーザーともに6割で、“モバイルデータ通信量が多くならないように”注意・対策していることをユーザー間で比較しても、傾向に差は無かった(図表2)。
具体的な注意・対策は、最多が「自宅でWi-Fiを利用」で、いずれのユーザーも7割、「外出先でWi-Fiを利用」「Wi-Fiが利用できない場合は、スマホを触る時間を減らす」が2、3割と、Wi-Fiの利用を意識・優先しているユーザーが多いようだ。
また、格安SIMユーザーは「ストリーミング再生の動画は控える」が多く、その割合は動画の利用率が高い若年層ほど多かった。一方、「動画広告が再生されるWebページ・SNSなどの閲覧を避ける」をしているのは、いずれのユーザーも1割程度だった。
▼調査レポート
『格安SIM乗り換えはデータ通信利用に影響するのか、調査を実施』(HoNote)
