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キリン、JTBが語る「位置情報活用の現状」 マーケティング戦略における役割とは


キリン、目指すは位置情報によるアクティベーション

道上:JTBさんの活用事例を聞いた、松岡さんの感想を聞きたいと思います。いかがですか。

松岡:JTBさんは、実店舗を持っているところが羨ましいです(笑)。弊社でも、2016年頃からイベント集客に位置情報を使っています。ただ、当社では集客や来店促進での活用は必ずしも本線ではないと考えているんです。

 たとえば、保有しているDMPと位置情報をつないでユーザーの販路を特定することで生活者を良く知り、さらには、工場や自動販売機、イベントなど様々な活動をデータ横断で推進することを目指しています。このように位置情報を長期的に活用して、生活者とコミュニケーションを取ってロイヤリティ育成を行うため、様々な施策を試している状況です。

 また、舟久保さんのお話でもありましたが、ストーリーはとても重要だと思っています。JTBさんはストーリーの仮説検証まで徹底しているので、国内の中でも進んでいる事例だと思いますね。

位置情報×強烈なクリエイティブが求められる

道上:松岡さんは絶賛していますが、舟久保さんは現状の取り組みをどう評価していますか。

舟久保:個人的にはまだまだです。むしろ今のお話にあったように、位置情報を顧客データとして蓄積できていれば、より素晴らしい施策ができると感じました。

道上:キリンさんで、行ったイベント集客の施策について教えてもらえますか。

松岡:2016年のクリスマス時期に、六本木ヒルズで午後の紅茶「Winter Magic」というイベントを行いました。位置情報を活用した広告配信サービスを活用し、ミッドタウン近辺のユーザーに対してイベント情報を告知し参加を促しました。

 その際は「CPV(Cost Per Visit)」、1訪問あたりにかかったコストを指標とし、現場にBeaconを置いて、広告を見た人が本当に来客したか、どこから訪問してくれたかを調べたのですが、広告効果効率としては良くありませんでした。

 ここからわかったのは、位置情報を使っただけではダメで、人を動かせるだけの強烈なフックが必要だということです。たとえば、30分以内に会場に来たら何かプレゼントしたり、カップル限定で特殊なイベントを用意したりするといったインセンティブがあれば、より人を動かすことができたかもしれません。

 また、今回の施策を通じて来場した方の行動が把握できた上に、そのデータが今後施策を行う際のペルソナ設計などに活用できるのは収穫でした。

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見えてきた課題、ポイントはさり気なさのバランス

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この記事の著者

畑中 杏樹(ハタナカ アズキ)

フリーランスライター。広告・マーケティング系出版社の雑誌編集を経てフリーランスに。デジタルマーケティング、広告宣伝、SP分野を中心にWebや雑誌で執筆中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2017/12/13 16:16 https://markezine.jp/article/detail/27569

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