個を捉えたデータ活用を加速
2017年を振り返って
来店効果やマスとデジタルとのすみ分けや広告アトリビューション等、Webに限らずコミュニケーション全般の関係性や効果を数値で可視化する取り組みが大きく進みました。それにより、動画の主戦場としてWebが如実に拡大し、Web動画広告・コンテンツの市場は大きな成長を遂げたと思います。また、個の捉え方も、CookieからIDを中心に語られることが増え、より個人を正しく捉える動きや仕組みが加速しました。それにより、デバイス間・アプリやブラウザ間・オンラインからオフラインといった行動がIDを軸に連携・可視化されることとなり、より精緻な動きをもとにWeb企画やメディアプランに反映することが可能になった一年でした。
2018年へ向けて
Webインサイトを意識したコンテンツ/クリエイティブの開発と、それによるビジネスへの効果を可視化していきます。前述のとおり、検証スキームは拡充されつつあります。メディアプランだけではなく、効果を最大化するコンテンツやクリエイティブの重要性が増していくと思いますし、その企画を生み出すための個を捉えたデータ活用がさらに進むでしょう。そのようなデータを活用しながら、お客様へ新しい驚きや共感を与えられるコンテンツやクリエイティブを企画・実行できる年にしていきます。

ソフトバンク株式会社
コミュニケーション本部 デジタルメディア統括部
Webマーケティング部 Webコミュニケーション戦略課 課長
岩本 嘉子氏
ボーダフォン社初のインサイトマーケターとして、戦略・商品・広告等、リサーチ全般を担当。ユーザーインサイト本を出版し、社長指示でグローバルのマーケターへ講義を行う。ソフトバンクでは、社長直属の商品開発プロジェクトリーダー。「Webサイト満足度No.1」、「ソーシャルメディアフォロワー数No.1」などを達成。現在はWebプロモーション分野の戦略立案、企画推進担当。またデータアナリストとして、ビッグデータ解析分野の講演にも多数登壇 。
誰もが安心して使えるプラットフォームへ
2017年を振り返って
Twitterは日本での月間利用者数が10月時点で4,500万人を超え、堅調に成長しています。日本での売上が全体の15%を超え、米国外で最も大きな市場となりました。Twitter上の1日の動画視聴回数は約12億回で、過去12ヵ月で200%増えています。社会に対する責任もより一層大きくなり、利用者の皆さんにとって安心安全にお使いいただけるプラットフォームとして成長する責務があります。機能面では、動画広告の「インストリーム動画広告」についてはコンテンツパートナーとの関係性を強化でき、MAPやWebサイトカードに動画を使えるようになり、これまで以上に「動画プラットフォームとしてのTwitter」を強く訴求できた一年でした。
2018年へ向けて
安全性については引き続き最優先課題です。マーケティング活動も活発に展開していきます。広告事業では、引き続き動画に注力し、コンテンツを強化します。動画広告の中でもパフォーマンス系のプロダクト開発・収益拡大を日本が牽引し、グローバルに影響を与えていきたいですね。さらには、アドエクスチェンジのMoPubは日本での成長をより拡大していくとともに、開発者がTwitterデータを活用したビジネスを立ち上げやすくするよう支援していきます。利用者、広告主、代理店を含めて、安心・安全に使っていただけるようサービス品質の向上に努めてまいります。

Twitter Japan株式会社上級執行役員 広告事業担当本部長
兼日本・東アジア地域事業開発担当本部長 味澤 将宏氏
2012年Twitter Japan に入社。広告事業および日本・東アジア地域の事業開発を担当。Twitter入社以前は、マイクロソフトでカントリーセールスディレクター、オグルヴィ・アンド・メイザーでビジネス・ディレクターなどを歴任。
ヒトの気持ちが動く、ワクワクするデジタルへ
2017年を振り返って
2017年のマーケティングでは、大きく3つの流れがありました。一つはデータの収集と統合。ブランドごとの会員データなど、企業の中に点在しているデータを集め、統合していく動きです。広告をはじめとする情報発信をより効率的に行っていくことが、最初の目的となっています。もう一つはマスキャンペーンのデジタルへのシフト。昨年は、マスをほとんど使わずにデジタルを中心にキャンペーンを組み立てる流れが加速しました。3つ目は、広告がマーケティング全体の中に組み込まれていく兆し。広告による新規顧客の獲得だけでなく、既存顧客を中心にマーケティングを考え、ファンとのエンゲージメントを重視する企業が増えてきていると感じています。
2018年へ向けて
デジタル時代のマーケティングをどう進めていくか、がいよいよ大きな課題となっていく中、広告とCRMの一体運用やデジタルマーケティングとブランディングの融合、デジタルとリアルを行き来するような施策といった困難な課題には積極的にチャレンジしていきたいと考えています。そして最適化や効率化ばかり目指すのでなく、デジタル時代ならではの企業のブランド価値を再定義し、新たなブランド体験を提供していくこと。統合されたデータを配信の効率化や売上貢献の分析に活用する一方で、顧客の潜在ニーズまで読み取り世の中をもっと楽しく便利にしていくこと。ヒトの気持ちが動く、ワクワクするデジタルへ。邁進していきたいと思います。

株式会社電通デジタル執行役員 郡司 晶子氏
電通入社後、クリエーティブ局で広告・キャンペーンの企画作業を担当。その後、コンテンツマーケティングの領域に携わる。ブランドエンゲージメント、CRM・ロイヤルティ向上の支援、コンテンツを起点とした顧客獲得支援などを目的に、コンテンツ戦略・企画・制作・運用のディレクションを実施。現在は、デジタルマーケティングにおけるコミュニケーション領域全般を統括。既存顧客やファンを中心に拡張していく新しい形のマーケティングコミュニケーションを目指している。
お客様との双方向コミュニケーションに邁進
2017年を振り返って
2017年6月より国内線において、これまでは有料だった機内インターネットサービスを「ずっとWi-Fi無料宣言!」と題して、無期限かつ無料でご提供しています。機内環境のさらなる充実を図り、お客様からも大変ご好評をいただいております。このようなIT環境の進化はもちろん、昨年はAI、AR・VR、データドリブンといったサービス・ソリューションをよく耳にしました。弊社でもIBM社のWatsonを活用したバーチャルアシスタントサービス「マカナちゃん」や、羽田の工場見学にて期間限定でARコンテンツの提供、また4月よりDomo社のBIツールを導入し、SNS関連を中心としたコミュニケーションの可視化などに取り組んできました。
2018年へ向けて
SNSを中心としたデジタル上でのコミュニケーションは情報の発信のみならず、お客様との双方向コミュニケーションをより推進していきたいと考えております。またデジタル施策だけでなく、リアルイベント等での航空機をご利用になるお客様はもちろん、そうでない方々とのコミュニケーションも積極的に取っていきたいと考えております。人気の工場見学をはじめ、STEAM教育やSNSファン感謝イベントはもちろんのこと、近年実施しているニコニコ超会議やULTRA JAPANへの出展など、今まで弊社がリーチできていなかった層の方々とのコミュニケーションが図れる機会を積極的に活用していきたいと思います。

日本航空株式会社コーポレートブランド推進部
Webコミュニケーショングループ 長山名 敏雄氏
日本航空に入社後、IT企画部門で自社システム開発プロジェクトのPM業務や、Web販売部門でJAL ECサイトの企画・運営業務等に携わる。現在は、JAL公式SNSアカウント運営を統括し、JAL企業サイト運営の統括も担う。2016年4月より現職。