失敗して気づいた、リードを育てる重要性
――お二人とも専門領域に特化したサービスのマーケティングを担当されているんですね。また認知を広げながらリードを獲得しなければならないという共通点がありますが、これに対して、具体的にどのような施策を展開されているのでしょうか?
吉田:「track」は、製品の性質上、主に大規模な新卒採用を行うような企業様がご利用いただくと、より効果を感じていただけるプロダクトです。ですがそのような企業の数は限られており、リードの母数は決して多くありません。そのため一つひとつのリードを大切にし、ナーチャリングすることがとても重要です。
実は、その重要性を改めて強く意識したのは、アウトバウンドのテレアポやLPだけを利用した広告出稿でリードをうまく獲得できなかった経験があるからなんです。そこからマーケティングプランを練り直し、ナーチャリングできるMAを導入したインバウンド体制へとシフトしました。
小川:弊社の「リンク ベアメタルクラウド」においても、リードのナーチャリングが課題でした。インフラ系のサービスは、乗り換えを促すことが難しく、導入までの検討期間が長くなる傾向があります。そのため、最適なタイミングで提案できなければ、リードを消失してしまうリスクがあるんです。そうしたリスクをできるだけ減らすために、行動履歴を把握し、ユーザーへの最適なアプローチを実現できるMAの活用を進めました。
リードの獲得数は14倍に! シンプルなMA活用で成果を上げる
――MAにはメール配信などのオートメーション機能やスコアリング機能など、様々な機能があります。マーケターそれぞれで使い方も大きく異なると思うのですが、どのような使い方をされていますか?
吉田:私は、シンプルに使っています。メルマガとステップメールでナーチャリングし、コンバージョンポイントとなるページの閲覧があったら、社内のコール担当へ通知メールを送るという使い方です。
併せてリードの行動履歴を基に、ホットなリードであると判断するためのファネルを3段階に分けて、次のアクションを設定しています。たとえば、最もホット度の高い段階に該当するページの閲覧があった場合は、自動で営業へ通知します。それ以外は、サイト回遊度やメルマガの開封率などを参考に、マーケティング部署で総合的に分析をしてから営業につないでいます。
――成果はいかがでしょうか?
吉田:MA導入後3ヶ月時点で、リードの数は、導入初月に比べて14倍に増加しました。8ヵ月後には、ROASも安定して達成できるようになり、売り上げの半分がインバウンドのリードからという状況です。
小川:弊社は、MAの活用を前提にサービスサイトをリニューアルしました。どのページにコンテンツ更新のお知らせや資料のダウンロードを促すポップアップを入れ込むかなどを緻密に考え、MAを中心とした導線設計にしています。
MAを導入して1年経ちましたが、お問い合わせの数は2倍に増え、サイトアクセスのUU数も4倍以上と、綺麗な右肩上がりを描けています。