企業と消費者の距離が遠い時代には、企業が用意したブランドのストーリーを広告やメディアを使って消費者に届けていました。しかし、企業と消費者が直接つながるようになったいま、
マスメディアを通じて、「広く、浅く、多くの人に」ではなく、 熱量の高いユーザーを突破口に、その熱を伝えていく。 その重要性に気づいた人たちがいます。
いくら「いいね」を集めても、そこに「熱」がなければ意味はない。
これは「昔のような熱いコミュニケーションを」という話ではなく、 そのほうがSNSの時代においては、理にかなっているからにほかなりません。
自分たちはもっと先へ行きたい。そんな企業やサービスの取り組みを、『熱狂顧客戦略 「いいね」の先にある熱が伝わるマーケティング・コミュニケーション』の著者であるトライバルメディアハウスの高橋遼さんが紹介していきます。
・顧客との“密着プレー”で知られる「よなよなエール」のヤッホーブルーイング
・熱量の高い、コアな若いファン層をねらう「AbemaTV」
・情報を見た瞬間に、多くの人が「購入」ボタンを押した「ZOZOSUIT」
・自分の1日1日を記録する相棒としての「ほぼ日手帳」
などなど、一瞬の熱狂から、長く続く静かな共感まで、コミュニケーションと「熱量」について、さまざまな視点で考えていきます。
また、本書を締めくくる第10章には先進企業4社のインタビューも収録しています。
CASE1 ソニーマーケティング「熱狂している社員と顧客の出会いを」
CASE2 @cosme store「お客様中心で行けるところまで行く」
CASE3 北欧、暮らしの道具展「ほんのり好き、という状態を作る」
CASE4 カゴメ「18万のファン株主に見守られ、開かれた企業を目指す」
特典:本書の第8章「熱狂ブランド調査レポート」(PDF)をプレゼント
読者特典として、本書の第8章をまるごとPDFとして提供します。トライバルメディアハウスが2017年に実施した20業界、全200ブランドを対象にした「熱狂ブランド調査レポート」から一部を抜粋し、わかりやすくまとめ直したものです。
自動車、ビール、化粧品、百貨店などのカテゴリごとに、熱狂的な顧客がどのくらい存在するのか、また推奨意向はどのくらい高いのかをチェックすることができます。
気になる方は、ぜひ特設ページをチェックしてみてください。
目次
序章 「熱狂」が企業の未来にもたらすもの
マーケティングにおける「狩猟・農耕・宗教」の時代
スマホとSNSが変えたもの
企業と顧客の新しい関係
第1章 本当に大切な顧客は誰か
ビリー・ジョエルは彼の本当のファンを大切にすることに決めた
感情が見える化した社会
熱狂を突破口にする
世の中に大きなブームが成立しない時代
第2章 変わる企業と顧客との距離
「会話」の時代の距離感
ヤッホーブルーイングという会社
社内のカルチャーと2つの「宴」
「ビールでささやかな幸せ」を届けたい
第3章 顧客という存在を捉え直す
「神様」から「友達」へ
マーケティング担当者の目標と顧客の優先度
売上と顧客の関与度
熱量の高い顧客とは
感情から見た顧客構造
コラム「熱狂顧客の代表性」
ブランドへの愛と購入量を分けて考える
いちばん真剣に商品を見ているのは
第4章 顧客がもたらす価値
日常におけるブランドとの特別な絆
「ほぼ日手帳」はどんな存在なのか
消費者は消費をするだけの人ではなくなった
コラム「ハッシュタグと文脈」
顧客の「資産」と「価値」
企業のマーケティングパートナーとしての顧客
第5章 動いていく「真実の瞬間」
ホールフーズ・マーケットの苦境を救ったもの
「真実の瞬間」を求めて~ZMOTからTMOTまで~
ZMOTに影響を与える「Third Moment of Truth」
唯一無二の強みは何か
アマゾン、ネスレの顧客戦略
第6章 熱量を高めるループを設計する
熱量を高めるプロセス
ステップ1 心の中にある壁を越える(4つのハシゴ)
ステップ2 心の中に火を灯し続ける
コラム「インスタグラムで有名になった詩人」
ステップ3「熱を伝える」
心を動かす琴線スイッチ
コラム「消費者がブランドとつながりたいと思う動機」
第7章 顧客に関する指標
成長率と相関性の高い指標「NPS」
顧客の熱量を測定する
コラム「想起集合について」
ブランドのポテンシャルを把握する
変化するマーケティングファネルの形
第8章 調査データで見る業界別・顧客熱狂度
熱狂顧客比率
熱狂的推奨者比率
自動車業界における熱狂顧客比率と成長率
第9章 熱量のある組織
社内に「熱」はあるか
従業員エンゲージメントとは
スターバックスの「ブラックエプロン」
組織を支える4つの柱
第10章 先進事例に学ぶ
CASE1 ソニーマーケティング「熱狂している社員と顧客の出会いを」
CASE2 @cosme store「お客様中心で行けるところまで行く」
CASE3 北欧、暮らしの道具店「ほんのり好き、という状態を作る」
CASE4 カゴメ「18万のファン株主に見守られ、開かれた企業を目指す」
おわりに