違う技術と組み合わせ、さらなる住民サービスの利便性向上へ
――いい成果が出ていますが、今後の計画をどう考えていますか。
江口:市民サービスや利便性の向上に向けて、「常に進化し続けるチャットボット」にしたいという夢があります。スマートスピーカーと連携させて検索ができれば、視覚障害の方にも対応ができますし、携帯電話の画像認識機能を使えたら、聴覚障害の方も使えるようになります。
今は分別だけですが、ごみ全般の問い合わせやその先の粗大ごみの申込みまでできれば、手続きの手間が省けるようになりますし、質問への回答だけでなく、行政から伝えたい情報の連絡もできるようになればと思います。
宗像:音声認識や画像認識は今後も充実していくと思いますが、画像を使った分別案内はすぐにでもやりたいですね。消火器一つを取っても、種類によっては違う案内をしないといけないことがあります。ユーザーが画像で「これは何?」と聞いた時にどう対応するかは相談しなければと思っています。
――NTTドコモとしては、このサービスを発展させる計画はどんなものをもっていますか。
小林:違う技術と組み合わせれば、今までと違ったチャットボットの使い方ができると思います。実はさっきの江口さんの話と近いことは既に考えています。チャットボットから画像認識の技術を呼び出せば、写真で案内ができるようになるでしょうし、翻訳技術を呼び出せば、外国人への案内もできるようになるでしょう。
まだ研究開発の段階ですが、どちらも裏側でテキストに変換し、データベースの内容と照合し、テキストで返すことができそうです。登録の手続きについても、組織の中の他のシステムと連携すれば、裏側で取得したデータを使って、より体験の利便性を上げることができるようになるはずです。
――マーケティング用語には「顧客体験の向上」というのがありますが、自治体の場合は、市民や住民が良い体験をすることなのですね。
江口:良い体験は地域の「お困りごと」の解決につながると思います。チャットボットのユーザーが増えれば、今まで電話応対に使っていた時間を他の住民サービス向上につなげられます。
我々が3Rを進めるために一番大事にしているのは、市民の皆様とのコミュニケーションです。顔と顔を合わせて、分別がなぜ必要か、どうして頂きたいかを伝えて、普段どんなことに困っているかを聞くようなコミュニケーションに職員の時間をもっと振り分けるようにしたいです。
小林:我々もいろいろな認識の技術をもっているので、画像認識の実証実験からやらせて頂ければと思います。
江口:横浜市の分別ルールは10分別15品目。この数が多いか少ないかはさておき、ごみを分けることへのストレスは減らすようにしていきたいです。横浜市には在住外国人が9万人いますし、ごみとは関係ありませんが、2019年のラグビーW杯や2020年のオリンピックとパラリンピックで、多くの外国人が来ることは確実です。その人たちのサービス向上になることについても、今後は取り組んでいきたいと思います。
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