※本記事は、2018年2月25日刊行の定期誌『MarkeZine』26号に掲載したものです。
映像視聴サービス、「YouTube」が「テレビ」に次ぐ存在に
映像コンテンツの利用率や視聴する際のデバイスを確認した(図表1)。
映像コンテンツの利用率は98%でほぼすべての人が利用していると言える。映像コンテンツを視聴する際のデバイスについて利用率を確認すると、「テレビ」の93%が最も高く、次いで「スマートフォン」47%、「パソコン」46%と続く。最も利用されている「テレビ」は広い年代で偏りなく利用されているが、「スマートフォン」は若い世代でよく利用されており、10~20代の75%が映像コンテンツをスマホで視聴していることがわかった。また「パソコン」による映像視聴は、50~60代でよく利用されていることが特徴として表れた。
では、どのようなサービスを通じて映像コンテンツを視聴しているのだろうか(図表2)。
最も多く利用されているものは「地上波テレビ(民放)」で95%。様々なチャネルが台頭する現在でも幅広い世代に利用されているようだ。その次によく利用されているものは「YouTube」で70%、40~60代といった中高年層でも6~7割が利用している。「YouTube」は映像コンテンツを視聴する際のサービスとして、「テレビ」に次ぐ存在になっている。
有料動画配信サービスは地上波テレビや無料動画配信サービスに比べると、全体的に利用率は低めだが、その中で最も多く利用されているものが「Amazonプライム・ビデオ」で11%だった。有料VODの合算値で見ると利用率は2割弱だが、10~20代の若い世代では4人に1人が利用しているという状況まで浸透していることがわかる。
次に映像コンテンツの視聴サービスについて、一人あたりの視聴時間と、利用人数をかけ合わせた結果を視覚的に確認する。バブルの大きさは100人あたりの視聴時間(週)を示す(図表3)。
「地上波テレビ(民放)」は図の最も高い場所に位置しているため、映像コンテンツの視聴サービスの中で一人あたりの視聴時間が最も長い。そして、バブルの大きさも他と比較して最も大きいため、総合的な延べ視聴時間も長いことがわかる。また、無料動画のニコニコ動画やAbemaTVの視聴人数は有料VODのAmazonプライム・ビデオよりも多いが、総合的な延べ視聴時間ではAmazonプライム・ビデオのほうが長くなる。このように、YouTube以外の無料動画視聴サービス群は、有料VODよりも一人あたりの視聴時間が短いことがわかった。これは映像コンテンツの1つひとつの長さによる影響とも考えられる。
▼調査レポート
『テレビ、VOD、無料動画・・・増える動画サービス、どう楽しむ?映像コンテンツの視聴状況調査』(HoNote)