AbemaTVのTwitter活用方針と事例
方針
Twitterの中で「AbemaTVの情報を知り、その情報を流通させ視聴につなげる」というサイクルを生み出す。
取り組み
Twitterを使った緊急対応でメディアの質とサービスへの期待値を生む
AbemaTVのTwitter活用を語る時、ある2つの大きな出来事が挙げられる。ひとつは、開局直後に起きた熊本地震(2016年4月)における臨時編成。そして今後もインターネットテレビの成功事例として語られていくであろう『72時間ホンネテレビ』(2017年11月)である。
熊本地震が発生した4月14日、AbemaTVはTwitterのプロモトレンドに当日配信していたバラエティ番組に関するハッシュタグを掲載していた。しかし地震が起きるやいなや、それを「熊本県の地震情報を配信しています」という内容のハッシュタグへ切り替える。情報が錯綜する中、テレビを見られない環境にいる利用者へニュース(Abema News)を届けたのだ。
さらに該当のハッシュタグを使ったツイートは番組へ届けられ、Twitterからの声という形で番組作りに生かされた。Twitterを用いて、番組と視聴者・Twitter利用者のインタラクティブな環境を即座に作りあげたわけだ。
AbemaTVのマーケティングを統括するサイバーエージェントの宣伝本部長・野村智寿氏は「メディアとしてあるべきスタンスを取ったにすぎない」と語るが、これらの対応はAbemaTVがこだわるメディアの質やインターネットテレビの柔軟性が伝わる出来事となった。
Twitter Japanの斎藤有人氏も「開局時にAbemaTVへ向けられていた、どのようなサービスなのだろうかという視線やネットサービスが持つ先入観を一気に払拭し、期待と認知につながった対応だった」と振り返る。
使ったハッシュタグは3日間で70個以上。『72時間ホンネテレビ』
新たなスタートをきった香取慎吾、草彅剛、稲垣吾郎の3人が、72時間の生配信に挑み、Twitterでトレンドの世界一の獲得を目指した『72時間ホンネテレビ』。その情報解禁は、まずTwitterで行われた。
AbemaTVの新規視聴獲得をメインとしたマーケティングを担当するサイバーエージェント宣伝本部の古田新氏は、情報解禁直後の盛り上がりを見て「今までにないバズが起きるのではないかとワクワクしました」と話す。古田氏は配信当日、Twitter対応にあたった。
AbemaTVは、1日の編成が決められているリニア放送型のメディアだ。3日間にわたって生中継を届けた『72時間ホンネテレビ』は、Twitter上でライブ配信「Twitterライブ」や「Periscope(ペリスコープ)」を活用し、サイマル放送(同時並行放送)を実施。Twitter上で動画が見られる環境を整え、リアルタイムにタイムラインを沸かした。
さらに「柔軟なTwitter運用の体制が素晴らしかった」と語るのは、斎藤氏と同じくサイバーエージェントを担当するTwitter Japanの高井陽介氏。
「たとえば、公式のハッシュタグを『 #72時間ホンネテレビ 』と設定していたのですが、利用者は『 #ホンネテレビ 』を使いはじめました。そのことに気づくと、AbemaTV側はすぐにツイート内のハッシュタグを #ホンネテレビ へ変更したのです。このようにトレンドや利用者の会話の変容をチェックしながら、3日間で合計70個のハッシュタグを使い分けましたね」(高井氏)
#72時間ホンネテレビ いよいよ本日よる9時放送!
— AbemaTV@今日の番組表から (@AbemaTV) 2017年11月2日
前代未聞の挑戦を始める3人に、エールを送りましょう!#ホンネテレビ応援してます で投稿してください!本人たちにも必ず届けます! https://t.co/2vE16zG7r9
#72時間ホンネテレビ
— AbemaTV@今日の番組表から (@AbemaTV) 2017年11月2日
藤田晋社長から3人へテーマ発表!
●3日間、Twitterのトレンドで話題に!
●3人のSNS発信で"世界トレンド一位"を獲る!
既に #ホンネテレビ #SNSデビュー など沢山の言葉がトレンドに!今すぐ見る▷https://t.co/s2uibkMx0x pic.twitter.com/UNtl0gDbwx
下が利用者のハッシュタグ動向をチェックした後のツイート。 #ホンネテレビ が追加されている。
生中継中、Twitterの国内トレンドにはホンネテレビの関連キーワードが107個挙がり、AbemaTVが目標としていた世界トレンドの第1位も獲得。また #ホンネテレビ が、2017年テレビカテゴリーで最も使われたハッシュタグランキング1位となった(Twitter発表)。