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生態系を作ることが重要、AbemaTVが語るサービス成長とTwitter徹底活用

情報流通を設計し、Twitterに生態系を作る

 以上の出来事から、AbemaTV成長の背景にTwitterが大きく影響していることは明白だろう。しかしマーケティングの目的は「AbemaTVの事業を伸ばし、良さを伝え、届けたいタイミングで届けたい人へ適切なコミュニケーションを取ること」であり、Twitterだけでなくオウンドメディアや各種SNS、テレビCMなどのチャネルも活用して「情報流通のグランドデザインを設計している」と野村氏は話す。

 その上でTwitterが持つ情報流通の速度・コミュニティ要素・利用者属性と、リニア放送というリアルタイム性があるAbemaTVは親和性が高い。プロダクト設計もTwitterの導線を意識し、動画の一部分を含めたツイートができる機能を開発・実装している。

※格闘チャンネルより

 「Twitterは利用者の会話から空気や温度が生まれ、それが感じられるプラットフォーム。AbemaTVを見ている人の熱量も可視化することができるんです。そのようなところが、両サービスの相性の良さだなと思います」(野村氏)

 Twitterを起点に番組を認知した人々が興味を持ち、AbemaTVを視聴する。視聴者のツイートが増えれば関連ワードはトレンドの上位にあがり、他の利用者も反応し新たな視聴が発生する。この「初めてコンテンツのことを知り、視聴し、面白いからシェアをする、ツイートする」というサイクルの設計を、野村氏は「Twitterに生態系を作る」と表現する。

Twitterのあらゆるところに、AbemaTVの接点を作る

 Twitterに生態系を作るためには、利用者のインサイトや空気感を把握し、自然とその流れに乗るツイートや発信が求められる。その大きな起点のひとつが、AbemaTVの公式アカウントだ。

 公式アカウントはフォロワー数100万人を超えるメインアカウント(@AbemaTV)のほか、人気ジャンルのアニメ・麻雀・将棋それぞれのアカウントと合計4つ。さらにTwitterの自動返信機能を用いて番組情報のリマインドを行う@AbemaTV_plusも運用する。

 目指すものは、人々にとってフォローする価値があるアカウントであること。

 「いかに起爆剤となる拡散性の高いツイートができるか? を念頭に、言葉選びや画像クリエイティブなど丁寧に考えています。特にハッシュタグを何にするか? ということに、一番時間をかけていますね。

 たとえば将棋コンテンツに関するツイートに #藤井五段 というハッシュタグを使いましたが、 #藤井5段 を使う人のほうが多かったんです(運用当時)。仮説と違った場合は、すぐさま切り替えます。難しいのは、“今このタイミングだから面白い言い回し”があること。少しでもタイミングが遅かったら、反応が薄くなるということもありますから」(古田氏)

 前述した『72時間ホンネテレビ』では「 #フィナーレは72曲ライブ 」「 #森くんと再会 」など、番組配信中に70個以上のハッシュタグを発信している。番組終了後に使った「 #みんなありがとう 」というハッシュタグは、3日間の中継を受けて感動や感謝というムーブメントが起きている時だからこそ、利用者にハマったハッシュタグだった。

 その瞬間を見逃さず、適切な発信を行うポイントはどこにあるのだろうか。

 「普段からAbemaTVをエゴサーチし、Twitter上で利用者がどのような反応をしているかを宣伝部だけでなく番組制作サイドも把握しています。Twitterは自分で見て使い、感じないと、その空気感が分からないプラットフォーム。それを理解していくと、イメージする情報流通のグランドデザインに合わせたTwitterのアイデアが生まれやすくなります」(野村氏)

 野村氏が語る「情報流通のグランドデザイン」には、Twitter内だけでも様々な起点がある。

 番組情報がオンラインメディアなどでニュースとなり、Twitterで話題となるサイクルもそのひとつ。ゆえにPR・広報から発信されるコンテンツ情報や伝えるタイミング、伝え方も重視する。さらに番組の出演者がツイートしやすい環境を整え、TwitterのあらゆるところからAbemaTVに接することができるという状況を作り出している。すると広告は、生み出された情報流通の動きをブーストする燃料のような役割を持つようになる。

 コンテンツやサービスが面白いものであるということ、公式アカウントの運用・会話が生まれやすいベース作り、そして広告とすべてが組み合わさることでAbemaTVが理想とするTwitterの生態系は作られているのだ。

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認知から定着化・コンテンツ回遊率の向上へシフト

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この記事の著者

マチコマキ(マチコマキ)

広告営業&WEBディレクター出身のビジネスライター。専門は、BtoBプロダクトの導入事例や、広告、デジタルマーケティング。オウンドメディア編集長業務、コンテンツマーケティング支援やUXライティングなど、文章にまつわる仕事に幅広く関わる。ポートフォリオはこちらをご参考ください。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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2018/03/30 11:00 https://markezine.jp/article/detail/28031

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