30億人にリーチ可能な「Device Co-op」が北米で一般化
最後はSNEAKSとは別に、今回のサミットで一般化が発表された「Device Co-op(デバイス・コープ)」を紹介する。「Device Co-op」は、北米での本格的な提供開始が発表されたブランド企業によるデータ共有のネットワークである。現時点で日本でのリリースについては、明言されていないため、我々にとってはまだ未来のマーケティングツールといえる(2018年4月現在)。
デジタルマーケティングでは、しばしば“人”ではなく“デバイス”単位で広告配信やレコメンデーションなどが最適化されることが課題視される。アメリカの携帯キャリア企業Sprintの事例セッションでも「Devices don’t buy, people do」とあったが、これは長年多くのマーケターが認識しながら解決できなかった課題であろう。
では、「Device Co-op」によってこの課題がどう解決されるのか。
「Device Co-op」では、参加企業の間でデータを共有することで、生活者のデバイスのつながりを把握することができる。要するに、参加企業はデバイスを横断した“人”単位のパーソナライズが可能になるのだ。なお、個人を特定できる情報が共有されることはなく、あくまでデバイスのつながりを特定するために使用される。
既に米国では60以上の企業が参加しており、共有されるデータにより18億台のデバイスを使用する30億人にリーチすることができるという。
キーノートでAdobeのエグゼクティブ バイスプレジデントであるブラッド氏は「集まったデータを意義のあるエクスペリエンスにすることが重要」だと話していた。広告の測定、配信、セグメント化、ターゲティングなどを“人単位”で設計することで、企業が顧客に提供するエクスペリエンスの価値向上が期待される。
「Device Co-op」の日本上陸については定かでないが、Adobeや参画企業がこれからどのようなマーケティングを実現していくのか、注目したい。
