2017年大流行した「#ナイトプール」をテーマにストーリーズを展開
――サムスンがストーリーズ広告の起用に至った背景を教えて下さい。
荻原:まず、我々のターゲットがミレニアル世代であったことが一つありますね。もう一つには、ストーリーズのアカウント数がすごい勢いで伸びていたので、ホットなコミュニケーションの場所である考えました。最終的には、認知拡大と製品理解を目的に出稿を決めました。
――ストーリーズのクリエイティブには、2017年夏に大流行した「#ナイトプール」を採用されていましたね。
荻原:そうです(笑)。インスタ映えの代表格としてナイトプールがちょうど流行している時期に広告を配信しました。
我々は、ターゲットの興味関心分野を「パッションポイント」と呼んでいます。この施策のパッションポイントは“ナイトプールにおけるインスタ映え”と設定し、そこに製品のカメラ機能と防水機能を掛け合わせて動画を制作しました。
そしてこの施策では、初めて縦型の動画制作にもチャレンジしました。「やるならとことんやろう!」と、ストーリーズ広告だけのために撮影から始めたので、思い入れのある施策になりましたね。
鈴木:直近では、縦型の素材でなくても、選んだ素材に合った背景を選択して、フルスクリーンのクリエイティブが自動で作成される機能のアップデートがありました。これによって、9:16の全画面縦型の素材だけでなく、正方形や横型の素材でもストーリーズ広告に対応できるようになりました。
――この動画を拝見すると、一般人が投稿したかのようなクリエイティブになっていると感じましたが、これにはこだわりがあったのですか?
荻原:ストーリーズ広告のメリットは、ユーザー目線の自然な形でメッセージが届けられることにあります。ですのでテーマ設定の段階から、いかにユーザー投稿に近づけられるかが重要だと思います。親近感のあるクリエイティブにすることは、非常に意識した点です。
綿密なメディア設計でエンゲージメントを向上
――配信後の結果は、いかがでしたか?
鈴木:今回は、セグメントを2つに分けて配信を行いました。オーディエンスのターゲット属性は同じなのですが、フィード広告だけに接触するグループと、フィード広告に加えストーリーズ広告にも接触するグループを設定し、それぞれに同じ予算で配信し成果を比較しました。
その結果、ストーリーズ広告にも接触したグループのほうが、ブランドの認知度や製品理解のリフト値が向上しました。リーチもストーリーズ広告のほうが58%多かったんです。
荻原:クリエイティブの最後にリンクを挿入して、我々のコーポレートサイト上に掲載しているカメラのHow toページに送客したのですが、そのページへの流入へも効果がありました。
メディア設計としては、そのHow toページで製品についてもう少し詳しく理解してもらおうと考えました。ストーリーズで「防水?」「暗闇でも綺麗に撮れるんだ!」と、ちょっとしたインサイトを刺激して、より詳しく製品を知ってもらおうという狙いです。
逆に、ストーリーズ広告から直接製品ページに飛ばしてしまうと、世界観が一気に変わりすぎてしまうので、エンゲージメントの向上が期待できないと考えています。