人気芸能人を起用したテレビ・Web動画CMのKPI、成果は?
――サムスンといえば、山崎賢人さんと飯豊まりえさんを起用したCMも話題になりましたよね。
荻原:はい。テレビでは30秒、Webでは長尺の2分半程度の動画を配信しました。テレビCMを見てからネットで検索してWebの長尺版にたどり着いて下さった方も沢山いたので、Webでエンゲージメントを高めるというカスタマージャーニーを上手く設計できたと思います。
Webには長尺版だけでなく30秒の動画も置いていたのですが、長尺版のほうが圧倒的に視聴完了数が多く、これには我々も驚きましたね。最終的には、2,000万view近くに到達しました。
一般的には、動画は短いほうが見られると予測されがちです。しかし、ユーザーの関心に寄り添ったストーリーでコンテンツを届けることができれば、長尺の動画でもエンゲージメントは向上できると思います。
――この動画では、パッションポイントは何に設定されていたのでしょうか?
荻原:“恋愛”ですね。パッションポイントは、ファッション/ミュージック/スポーツなど、一般的な若者が関心をもってアクションを起こす分野に設定しています。ここでは“恋愛”というパッションポイントにカメラ機能を掛け合わせて、クリエイティブ制作を行いました。
――この動画はいわゆる「バズコンテンツ」に含まれると思います。多くのマーケターが、果たして「バズ」は売り上げに結びつくのか、悩まれています。サムスンでは、Web動画のKPIはどこに設定していますか?
荻原:スマートフォンは単価が高く、通信契約もあるので、Web動画視聴による認知から販売に直接つなげることはハードルが高いと考えています。ですので、認知と好意度を重要な指標として施策を展開しています。昨年の1月15日にこのテレビCMがオンエアされましたが、2月度の調査ではこの指標がかなり上がりました。
SNS発の情報流通で話題化に成功!
――クリエイティブの良さは当然ですが、ここまで話題化した背景には、何か理由があったのでしょうか?
荻原:実は、テレビやWebで動画が公開される前に、山崎賢人さん自身のインスタグラムで、「バックハグしちゃった」と投稿してくれたんです。そこで「誰と?!」と話題になり、翌朝のめざましテレビでも取り上げていただきました。
コンテンツが公開された順番としては、インスタグラム→テレビ→Webという順番ですね。デジタル発で情報を拡散させよう、と考えていましたので、まさに期待通りでした。
――お話を伺っていて、ミレニアル世代のトレンドなどにとても敏感いらっしゃると感じたのですが、情報収集はどうされているのですか?
荻原:色々な調査結果を参考にしています。また、SNS上での話題にもアンテナを張っていますね。話題になったものは、トレンドにまで成長することが多いので。
――では最後に、今年度の目標を教えて下さい。
鈴木:ストーリーズ広告が企業のビジネスにどれだけのインパクトを与えることができるのか、サムスンさんに教えていただきました。広告の数字だけでなく、企業のビジネスの推進に貢献することが最終的なゴールですので、また新しい成功事例を作っていきたいです。
荻原:今回のストーリーズ広告施策では、リーチに関して、そのボリュームの破壊力を体感しました。また、ナチュラルにメッセージを届けることができるという点においても成果を得ることができたので、量・質ともに意義のある施策だったと思っています。
今後展開していく広告でも、クリエイティブにこだわりながら、今回の施策を活かしていきたいです。