SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2026 Spring

成功事例から学ぶ!コミュニティマーケティングの秘訣

「あのコミュニティマネージャーやるなあ」と思わせるための社内アピール法

その2.コミュニティの声を社内に届ける

 コミュニティマネージャーは、ユーザーに一番近い存在です。ユーザーと直接話す機会が多いため、多くのユーザーインサイトをもっています。

 「コミュニティでは、こんなお客様の声があります」「コミュニティには、こんな人達がいます」という情報を、ぜひ社内に届けてください。たとえば、社内の空いたスペースに張り出す、事業部全体にメールを出す、社内掲示板やスラックチャネルを作るなどして、日常的に社員の目に入るところを活用してみましょう。オンラインであれば、少なくとも週に1度くらいの目安で情報をアップデートしてください。

 定量的な声は、質問をタイプ分けしてデータ化し、まとめて掲載。定性的な声は、ソーシャル・メール・口頭で受け取ったユーザーの声を整理し、まとめて送ります。実は、PinterestやAirbnb、メルカリも、ユーザーの声を社内の廊下に貼ったりしていました

メルカリの社内の廊下に張り出されたユーザーからの声
メルカリの社内の廊下に張り出されたユーザーからの声

 カスタマーセンターは、どちらかというと、使い方などの質問やネガティブな意見を拾い上げていることが多いと思います。が、それ以外のユーザーの声を聞けるのが、コミュニティマネージャーの醍醐味です。

その3.社内のメンバーとコミュニティの交流を図る

 次に挑戦していただきたいのは、社内経営層・開発課などとユーザーが直接接触する場を作ることです。こうした接触の場は、大きく2つに分けられます。

 一つ目は、ユーザーの声を社内の人に聞いてもらう機会。この場合のコミュニティマネージャーの役割には、事前準備として、ユーザーのサービス理解度などを明確にし、具体的な質問項目を決めておくことがあります。

 また、ユーザーとのやり取りを記録する際は、その様子を録画しておくと良いでしょう。ユーザーの反応や表情をライブ感のある形で記録・共有するすることができます。加えて、要点をテキストでまとめたレポートを送ることも大事です。

 逆に、会社の声をユーザーに聞いてもらう場も作ることができます。こういう場に来てくれるユーザーは、既にプロダクトを愛してくれるユーザーですから、開発の裏話などニッチな話も興味深く聞いてくれます。

カレンダーシェアアプリ「TimeTree」で開催したユーザーコミュニティの様子
カレンダーシェアアプリ「TimeTree」で開催したユーザーコミュニティの様子

 たとえば、マツダが新商品の発表会で、コミュニティメンバーを招待し、開発のストーリーを披露することは有名です。一般的に、新商品の発表会はメディア向けのものというイメージがありますが、広報的な機能だけでなく、コミュニティマーケティングとしての機能も果たすのです。

 もう一つ、私のクライアントでもあるTime Treeは、スケジュール共有に特化したカレンダーアプリ。Time Treeでも3月にコアユーザーのためのイベントをオフィス内で開きました。応募抽選に通ったユーザー30人に対して、開発チームがプロダクトを作った背景を話しました。また、新しいプロダクトを発表し、ユーザーからその場でフィードバックを受けるなど、密なコミュニケーションも取ることができました。

 こういった場でコミュニティマネージャーに求められる役割は、会の運営だけではありませんSNSや口コミによる拡散を、ユーザー目線でディレクションすることはもちろん、社内向けにはユーザーに受け入れられるコンテンツを提案することも、コミュニティマネージャーの仕事です

次のページ
コミュニティマネージャーを企業が求めているのは間違いない!

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • note
成功事例から学ぶ!コミュニティマーケティングの秘訣連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

松澤 亜美(マツザワ アミ)

 コミュニティマーケティングを専門とするコンサルタント。2014年より、Pinterest Japan3人目の社員としてコミュニティマーケティングマネージャーを務める。その後2016年10月からadidas Japanでブランドマネージャーを務めたあと独立。現在は企業や個人に対し、自走するコミュニティの企画運営、活性化をメインに、コンサルタントとして活動している。

 また、2008年に異文化理解コミュニティLunch Tripの共同代表としてコミュニティを立ち上げて以来、国内4拠点や海外、保育園などで活動を拡大し続けている。その他、トラベルブロガーとして世界45カ国以上旅しながら各誌コラムを掲載したり、J-waveでトレンドコーナーを担当したこともある。

 配信ブログ:「Ami-Go!旅と食とピクニックと。」

 

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2018/05/23 09:00 https://markezine.jp/article/detail/28240

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング