若年層が半数を超えるAbemaTV
――その話題を伝えるため、AbemaTVを選択した理由を教えてください。
小笠原:様々なメディアを検討する中でAbemaTVは、まずテレビと同様に完全編成型で、視聴完了率の高いメディアであるということが魅力的でした。つまり、ユーザーが受動的に、自然に広告を受け入れてくれる場として、最適だと感じました。我々のようなメーカーがいきなりバズる動画を制作するのはリスクが大きいと考えていたので。

また、AbemaTVさんが話題性のある動画・番組を作っていて、今後サービスとしてはもちろん、広告媒体としても大きく成長するポテンシャルを持っていると感じていました。さらに、TVCMなどのマス広告では届かないであろう若年層へもリーチできると仮説を立てていました。
――山田さんにお伺いします。現在、ユーザーの年齢の割合はどうなっていますか。
山田:立ち上げ当初は、男性向けコンテンツが多かったこともあり、30代以上の男性の方が過半数を占めていました。そのため、より若者を意識した番組制作・編成を行ったところ、現在は10代、F1(20歳から34歳までの女性)とM1(20歳から34歳までの男性)が約半数を占める状況になっています。
小笠原:先ほどもお伝えしましたが、僕らが考えている「若い世代」とは、30代も含まれてくるので、リーチできるほとんどの方がターゲットといえます。
お茶に合うもの、それは「将棋」
――今回行った施策についてお聞かせください。
山田:AbemaTVには「将棋チャンネル」というプロ棋士の対局など様々な棋戦の生中継を放映するチャンネルがあります。その中で、「若手VSトップ棋士 魂の七番勝負」という藤井聡太七段(番組放送時は四段)や佐々木勇気六段をはじめとする23歳以下の注目若手棋士7人が、自ら対局したいトップ棋士をプロ歴が浅い順に指名しトップ棋士に挑む、チーム対抗戦七番勝負のオリジナル番組を企画制作し、伊藤園様には同番組のスポンサーとなっていただきました。

番組内の若手棋士とベテラン棋士の対決中に「お~いお茶」を棋士の方に提供したり、番宣を伊藤園様の応援動画という形で配信したり、プレゼントキャンペーンを行ったりしました。
単に番組内で商品の露出をするだけではなく、番宣で多チャンネルのCM枠を活用することで、リーチの拡大を実現しました。
――今回の企画になぜ将棋を選んだのでしょうか。
小笠原:やはりお茶と将棋に通ずるものがあると思ったからです。将棋は一瞬一瞬、頭脳を最大限駆使して次の一手を打ちます。一方、我々が伝えたかったシリコンバレーのエピソードでも、シリコンバレーで働く人が次なるイノベーションを起こすためのアイデアを考える時に頭を使います。つまり、頭を使う時には「お~いお茶」というシチュエーション訴求ができるのではないかと発想しました。