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定期誌『MarkeZine』特集

ルンバ、新市場を切り拓いた マーケティングストーリー

 今から16年前、これまでなかったまったく新しい家電市場が誕生した。それが「ロボット掃除機」だ。この分野の先駆者米アイロボット社が2002年にリリースした「ルンバ」シリーズは、国内で200万台を超える販売台数を誇り、ロボット掃除機という商品のデザイン性や動作、機能のデファクトを作り上げてきたといっても過言ではない。まったく新しい商品カテゴリーを提案し、その市場を拡大するため、同社はどのようなマーケティング戦略を展開してきたのか。アイロボットジャパン合同会社の山田毅氏に聞いた。

※本記事は、2018年4月25日刊行の定期誌『MarkeZine』28号に掲載したものです。

成長が進むロボット掃除機市場

アイロボットジャパン合同会社
マーケティング本部 本部長 山田 毅(やまだ・たけし)氏

1977年生まれ。2001年、松下電器産業(現・パナソニック)へ入社。2007年、パナソニックマーケティング本部にてデジタルカメラ「LUMIX」の営業・マーケティング業務に従事。2014年、ソフトバンクモバイル(現・ソフトバンク)入社。マーケティング・コミュニケーション本部マーケティング戦略統括部にて担当課長として人型ロボットPepperやiPhoneのマーケティングコミュニケーションを担当。2015年、iRobot Corporation入社。2017年、アイロボットジャパン設立にともないマーケティング部長に就任。日本国内における、iRobotのマーケティング戦略を担い、マーケティングコミュニケーション部とプロダクトマーケティング部を統括。

――リサーチステーション合同会社の発表によると、ロボット掃除機市場は今後も急速な拡大が見込まれ、2018年段階で20億9,000万ドル、2023年には43億4,000万ドル市場になると予測されています。この分野を開拓したと言われる「Roomba(以下、ルンバ)」の売れ行き状況はいかがでしょうか。

 ロボット掃除機市場は2桁の成長速度で、好調に推移しています。そして私どもの製品も、その中で6割のシェアを持ちながら販売を推進しています。これはグローバル、そして日本市場ともに、ほぼ変わりはありません。地域別で見れば、欧州と米国では非常に高いシェアを誇っています。

――2014年には床拭きロボット「Braava(以下、ブラーバ)」もリリースされました。

 ブラーバは、特に日本で受け入れられています。リリース当初は、ルンバと市場を食い合うのではないかと予想する向きもあったのですが、ゴミ掃除と床拭き、それぞれ用途が異なる製品のため、今はルンバの売り上げの上にブラーバの売り上げが積み重なる形で、全体の販売実績を伸ばしています。当社すべての製品の売り上げ台数でいえば、グローバルで2,000万台を突破しました。

床拭きロボット「Braava(ブラーバ)」
床拭きロボット「Braava(ブラーバ)」
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この記事の著者

岩崎 史絵(イワサキ シエ)

リックテレコム、アットマーク・アイティ(現ITmedia)の編集記者を経てフリーに。最近はマーケティング分野の取材・執筆のほか、一般企業のオウンドメディア企画・編集やPR/広報支援なども行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

市川 明徳(編集部)(イチカワ アキノリ)

MarkeZine編集部 副編集長
大学卒業後、編集プロダクションに入社。漫画を活用した広告・書籍のクリエイティブ統括、シナリオライティングにあたり、漫画技術書のベスト&ロングセラーを多数手がける。2015年、翔泳社に入社。MarkeZine編集部に所属。漫画記事や独自取材記事など幅広いアウトプットを行っている。
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MarkeZine(マーケジン)
2021/02/25 18:03 https://markezine.jp/article/detail/28264

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