魅力的なマーケティングプラットフォームに成長したYouTube
ここからは、動画広告を統括するプロダクトマネージャーのNicky Rettke氏が登壇し、YouTubeの月間ユーザーが19億人を越え、1日に10億時間以上の再生数を越えるまで成長したことを明かしました。

YouTubeは単にエンターテイメントのためのプラットフォームではなく、マーケターにとっても魅力的なプラットフォームになっていることを強調し、次の3つのプロダクトを紹介しました。
5、TrueView リーチ(TrueView for reach)

TrueView for reachは2018年4月に発表された機能で、他の動画の再生前、再生中、または再生後に動画広告が再生されるインストリームの形式を取り、ユーザーは視聴完了前に広告をスキップできます。一方で、入札戦略は広告視聴単価(CPV)ではなくインプレッション単価(CPM)となり、この点で従来のTrueViewインストリーム広告と大きく異なります。
これまでAdWordsの動画キャンペーンにおいて、CPMでの入札はバンパー広告のみ可能でした。一方、スキップ不可の6秒動画という点で、ユーザーのエンゲージメントを伴ったリーチをバンパー広告単体で実現することは難しく、TrueView動画広告と併用するケースがほとんどかと思います。今回のTrueView for reachにより、広告主はリーチとエンゲージメントのバランスを取りながら動画キャンペーンを展開することができるでしょう。
6、TrueView アクション(TrueView for action)

TrueView アクションは2018年4月にすべての広告主に公開された機能です。これまでのTrueView動画広告は、商品やサービスの認知向上や態度変容を目的に開発された広告フォーマットですが、TrueView アクションは動画の再生中と再生後に任意のテキスト内容で「行動を促すフレーズ」とテキストの見出しをオーバーレイで表示することが可能で、これまでのTrueView動画広告よりも視聴ユーザーをWebサイトへ誘導してコンバージョンにつなげやすくなります。
また、2018年3月にはカスタムインテントオーディエンスがYouTube動画広告でも使用可能となっているので、TrueView アクションと併用すると効果を発揮するでしょう。
7、スマート自動入札の「ブランドリフトの最大化」
「ブランドリフトの最大化」では、動画広告の視聴によって購入検討につながる可能性が特に高いユーザーに、広告を表示しやすくなります。「ブランドリフトの最大化」はスマート自動入札の戦略のひとつとして提供されます。オークション単位で自動的に入札単価を調整することによって、コンシューマージャーニーの各段階で動画広告がブランドイメージに及ぼす影響力を最大限に高める仕組みです。
「ブランドリフトの最大化」は現在ベータ版として提供されており、年内には他のすべての広告主にも順次提供予定とのことです。
機械学習を活用した広告商品のインパクト
ここからは、Product Management DirectorのAnthony Chavez氏は機械学習の力を活用した広告商品を紹介していきます。

8、レスポンシブ検索広告
広告主は、広告見出しを最大15種類と広告文(説明行)を最大4種類入力するだけで、見出しと説明のさまざまな組み合わせをGoogleが自動的にテストし、あらゆる検索語句に対して最も効果的なパターンを学習していきます。このため、ユーザーが同じ語句で検索した場合も、コンテキストによって異なる広告が表示されます。
Googleによればレスポンシブ検索広告をテストした広告主は、平均で獲得クリック数が最大15%増加しているとのことです。日本語のレスポンシブ検索広告は、今後順次提供を開始される予定です。
9、Landing Page Speed Score

50%以上のユーザーが、ロード時間が長いと購入を諦めるとの調査結果があります。ランディングページのロード時間を短縮することが重要になります。Googleは過去にもPage Speed Insightなどのツールを公開してロード時間の短縮を支援してきました。また、昨年のGMN2017では検索広告のランディングページのAccelerated Mobile Pages(AMP)への対応を発表しましたが、2018年の今年もAMP化の重要性を訴えています。
Google広告の管理画面に10段階評価でランディングページのロード時間の良し悪しを評価するカラムを表示することが可能になるようです。スコアは日ごとに更新されるようなので、品質スコアなどと同じように定期的にチェックしてみることをお勧めします。この機能は2018年7月10日より順次各アカウントへの反映される模様です。
10、Googleアナリティクスのクロスデバイスレポートとリマーケティング

クロスデバイスレポートでは複数のデバイスにまたがるデータを整理してまとめて分析することができるため、一見すると無関係に見える接点、セッション、行動が相互にどのように関連しているかをより明確に把握できます。
たとえば、あるセグメントのユーザーは同じ日にモバイル端末で検索し、タブレットで何かを購入したこと、別のセグメントのユーザーはモバイル端末で広告をクリックし、翌日PCでサイトを閲覧し、1週間後に戻ってきてタブレットで購入したことなどがわかります。
クロスデバイス レポートでは、デバイスに関するデータと複数セッションでのアクティビティに関するデータを結びつけて見ることができるため、サイトのユーザー像に加え、コンバージョンに至るプロセス(最初の接点から長期的なリピート利用まで)の各段階におけるユーザー行動をより的確に把握するうえで役立ちます。もちろんこのデータから個人を特定することはできません。

クロスデバイスによるリマーケティングは、2016年9月の時点でAdWords、DoubleClickで対応しており、2017年5月にはGoogleアナリティクスでも対応しています。