機械学習の力で広告を進化させていく
米国時間2018年7月10日(火)、Googleは、AdWords、DoubleClick、Google アナリティクスなどのマーケティング関連プロダクトに関するアップデートを発表する「Google Marketing Live 2018(以下、GML2018)」をサンノゼで開催しました。
Googleの広告製品を統括するシニアヴァイスプレジデントのSridhar Ramaswamy氏は、「Pharmacy near me」(「near by」ではない)という検索語句を例にあげ、モバイルデバイスの普及によってユーザーは位置情報などを含めたよりパーソナライズされた情報を求めるようになっていることを指摘。このようなユーザーの動きの変化に対応するために、Googleは機械学習を使ってユーザーがより価値を感じる広告製品を開発していくことを表明しました。
これから、GML2018のキーノートスピーチで発表された16のポイントを紹介します。個人的には「スマート〇〇」、「ユニバーサル〇〇」といった名前のプロダクトが今後のスタンダードになり、「スマート」や「ユニバーサル」といった名前は次第に外れてくるのではないかと思います。機械学習の力がどこまで広告を進化させていくのか今後が楽しみな内容が盛りだくさんでした。
1、AdWordsを「Google広告」に改称
「AdWords」は、インプレッション保証型のテキスト広告「プレミアム広告」に次ぐ、Googleの2番目の広告プロダクトとして2000年10月に米国で350の広告主とともにスタートしました。2001年2月には米国で正式にサービスが開始し、日本では2002年9月にサービスが開始されました。
初期のAdWordsは、検索連動型広告はもちろんのこと、ディスプレイ広告でもWebサイトの文言を解析して「キーワード」を使用してターゲティングする「Google Content Network」という仕組みだったため、Ad”Words”という名称はサービスの実態をよく表した名称でした。
しかしながら、DoubleClickの買収を期にcookieを使用したオーディエンス情報によるターゲティングや、YouTubeへの動画広告の出稿などをはじめ、ターゲティング手法や配信フォーマットが多様化するなかで、「キーワード」への依存度は年々低くなっており、名前とサービスの実態に乖離が大きくなっている状況でした。
このタイミングで”Word”を外して「Google広告(Google Ads)」に改称したことは、サービス名を製品の実態に合わせていくとともに、ターゲティングや配信面のさらなる進化を目指すGoogleの強い意志が感じられます。
2、DoubleClickとGoogle アナリティクス 360を「Google Marketing Platform」へ統合
「DoubleClick」の広告主向け製品と「Google アナリティクス 360」は「Google Marketing Platform」にサービス名称が統合され、これまでの各製品は下記の名前に集約・改称となりました。
「Display & Video 360」に集約
・DoubleClick Bid Manager (GoogleのDemand-Side Platform)
・DoubleClick Campaign Manager(メディアプランニング、レポーティング)
・DoubleClick Studio(リッチメディアのクリエイティブ作成ツール)
・Google Audience Center 360(広告配信用のオーディエンスデータ管理ツール)
「Search Ads 360」(検索広告 360)に改称
・DoubleClick Search
また、「Googleアナリティクス360」と「Display & Video 360」を1クリックでデータ連携が可能になる「Integration Center」というツールが利用可能となる模様です。
3、DoubleClickのパブリッシャー向け製品を「Google Ads Manager」へ統合
また、今回のキーノートスピーチでは直接言及されませんでしたが、DoubleClickのパブリッシャー向け製品である「DoubleClick for Publisher」と「DoubleClick AdExchange」は「Google Ads Manager」という名称に統合されます。
4、Google 広告設定
また、ユーザーの広告体験の透明性とコントロール性の向上のため、なぜ広告が表示されるのか、その理由をユーザーが理解しやすくするように「Google広告設定」ページを公開しました。
配信される広告の種類は、ログイン中の行動に基づいて推測された興味関心や、Googleアカウントに追加した情報などが含まれます。また、Googleのパートナーの情報サイトにアクセスした場合や、ニュースレターに登録した場合などによっても決まります。
今後、Google検索、YouTube、Google Play、Gmail、Googe Mapsなどで広告が表示される際に、「Why this ad?」という機能が表示されるようになります。これにより、ユーザーは特定の広告が表示されている理由を知る事が可能になります。