「世帯視聴から個人視聴へ」という潮流は、どんな変化をもたらすのだろうか。テレビ視聴の実態把握が、「テレビ局」「広告主」、そして「生活者」の三者にもたらす、新たな視点や価値をひも説く。
※本記事は、2018年7月25日刊行の定期誌『MarkeZine』31号に掲載したものです。
テレビの見方とテレビの味方
ある夜のファーストフード店での風景。4人掛けのボックスシートに、今どきの高校生くらいの男の子と女の子が仲良く並んで座っている。男の子が差し出したiPhoneの画面をふたりして覗きこんでいる。iPhoneからは1本のヘッドフォンが伸びていて、それぞれが片耳に差し込んでいる。付き合い始めたばかりの男女がお気に入りのバンドのMVをYouTubeでチェックしている、そんな風景だ。
ふたりの背後のガラスにはiPhoneの画面が淡く反射している。ふと眼をやると、おかっぱ頭で二頭身の女の子が動き回っている。ふたりが見ていたのはMVではなく、NHK総合の春からの新番組「チコちゃんに叱られる※1」だ。持ち出したと思われる録画番組を幾度も巻き戻しては、チコちゃんの豊かな表情の制作工程についてお互いの推測を展開している。
「タイムシフト&スマホ」が新しい視聴スタイルを生んでいる。
「バラエティ番組」は、「ドラマ」や「アニメ」に次いで、録画視聴されやすいジャンルである(図表1)。また、翌日、翌々日など、比較的、早いタイミングで録画再生(HDD録画機に録画した番組を再生すること)されるジャンルでもある。
録画機やスマホによる、持ち出しといった再生方法の進化は時間や場所に縛られない視聴スタイルを加速させ、先の風景のように「同伴視聴(だれかと一緒にテレビ番組を見ること)」のスタイルをも変化させている。
生活者の「テレビの見方」が変わったのだから、テレビの「チカラ」の測り方も変わらなければならない。そう、テレビにはそのチカラを正しく捉える「新しい味方」が必要なのだ。
※1 NHK総合テレビで放送しているクイズバラエティー番組。2018年4月スタート。
▶調査レポート
「テレビのチカラの「新しい測り方」はだれを幸せにするのか?ーライフログデータが示す、メディアの未来#2」(Intage 知る gallery)
会員登録無料すると、続きをお読みいただけます
新規会員登録無料のご案内
- ・全ての過去記事が閲覧できます
※プレミアム記事(有料)は除く - ・会員限定メルマガを受信できます
- ・翔泳社の本が買える!500円分のポイントをプレゼント
-
- Page 1
この記事は参考になりましたか?
- 定期誌『MarkeZine』メディアデータから掴むインサイト連載記事一覧
- この記事の著者
-
田中 宏昌(タナカ ヒロマサ)
株式会社インテージ 生活者研究センター
1992年 電通リサーチ(株式会社電通の100%グループ会社 当時)に入社。1994年より電通の大規模生活者データベースの立ち上げメンバーとして参画。以後、2012年まで消費者研究センターや電通総研などの横断機能組織に駐在勤務する形で、広告コミュニケーションプランニングや...
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア
