※本記事は、2019年2月25日刊行の定期誌『MarkeZine』38号に掲載したものです。
フリマサービスのメインユーザーは若年層
フリマサービスとは、個人間電子商取引のサービスであり、Face to Faceのフリーマーケットと同じく、出品者が自由に価格を設定し、様々なモノを販売・購入することができるサービスである。フリマサービスが着目されたのは、2013年頃からと言われており、若年層の間で急速に浸透した経緯がある。
では実際、どの位の人がフリマサービスを利用しているのだろうか。そこで本記事では、インターネット人口を母集団とする、「デジタル統合視聴率※1」を使用し、デジタル全体および、デバイス別での利用率を明らかにする。これまで存在したデータの多くは、PC、スマートフォン等のデバイス別の利用率しか確認することができなかったが、「デジタル統合視聴率」はデバイスを横断した“デジタル全体”での利用率を把握できるよう設計されており、デジタル全体および各デバイスからの利用率のいずれも精緻に計測することができる。
フリマを代表して業界No.1のフリマサービスA(以下、フリマ)の利用率※を、それぞれ業界No.1のECサービスB(以下、EC)、オークションサービスC(以下、オークション)と比較してみる(※購入有無に限らず、Web・アプリを通しての接触経験を、利用と定義)。
デジタル全体における「フリマ」の利用率(利用者数÷インターネット人口)は、図表1-1のとおり20.9%となり、「EC」72.5%、「オークション」33.1%には及ばない。一方、デバイス別の利用率では、スマートフォンからの「フリマ」利用率が17.7%となり、スマートフォンからの「オークション」利用率に近似し、スマートフォンからの利用では「オークション」と大差なく利用されているサービスとなる。
スマートフォンからの利用に偏重する背景として、図1-2のとおり「フリマ」は、若年層の利用が主流であることが挙げられる。
言い換えれば、「フリマ」は若年層にスマートフォンによって利用されるサービスであり、全体における「フリマ」の利用は、「EC」、「オークション」には及ばないが、男性10代・女性10〜30代においては「オークション」よりも利用されているサービスである。
また、「フリマ」利用者の他サービスの併用状況では、図表1-3のとおり「フリマ」のみ利用者は全体の10%ほどであり、「フリマ」利用者の約90%は、「EC」、「オークション」の併用者である。
※1 デジタル統合視聴率2019年2月にリリースされた、i-SSP PC、Mobileのデータを基に、Web・アプリを統合して、デジタル全体におけるコンテンツのユニークな利用状況を集計し、データ化するサービス。
▶調査レポート
「浸透が進むフリマサービス 生活者の利用実態から見えたEC、オークションサービスとの違いは?」(Intage 知る gallery)