2018年上半期、YouTube動画広告で1位に輝いたのは?
同イベントでは、2018年上半期(1~6月)においてYouTubeで話題になった広告ランキングの表彰式「Japan YouTube Ads Leader Board 2018」も開かれた。同ランキングでは、国内の動画広告出稿の有無や自然発生したユーザーの動画視聴の比率などを加味して、審査が行われた。

1位に輝いたのは、本田技研工業の「ONE OK ROCK×Honda Jet『Go, Vantage Point.』 60秒 Honda CM」。
本田技研工業と電通が共同で制作に取り組んだ同CMシリーズは、2017下期に続く2連覇となった。
受賞にあたり、クリエイティブディレクターを務めた電通 眞鍋亮平氏は、
「第1弾はONE OK ROCKの方たちに出演していただいて、ムービーにバリューがでたのであれだけ話題になった。そして第2弾どうするんだと。ご本人たちは出演せず、ただ楽曲は書き下ろしてくれるという条件下での戦いでした。
ムービーを流す前から、楽曲の歌詞を少しずつサイトで公開していって、ファンの方たちの期待値を最大限に高めた段階でムービーを流すという工夫をしました。本田のジェットというテーマとの相性も良かったため、2,000万回を超える再生回数につながったのかなと思っております」とコメントした。

授与を務めたGoogle Japanの岩村水樹氏は、支持される動画クリエイティブのポイントとして、以下の3つを挙げた。
1. Be Authentic(企業やブランドのDNAが根幹にあること)
2. Create Story(単なる広告ではなく、心に響くストーリー型のコンテンツであること)
3. Design Experience(驚きや期待感、ワクワク感などの感情を醸成するようなデザインであること)
ユーザーの琴線に触れるクリエイティブを届けられるかどうかが、今後も効果につながる動画広告において鍵となりそうだ。
広告のリッチクリエイティブ化は加速し、創造性が求められる時代へ

イベントの最後に登壇したのは、Google Japan日本法人代表 ピーター・フィッツジェラルド氏。デジタル時代の到来にともない、YouTubeという動画プラットフォームの拡大によって、ユーザービヘイビア(振る舞い)が変化していることや、5Gの登場によって今後広告のリッチクリエイティブ化が加速することなどに言及した。
最後に同氏は、
「1964年に開催された東京オリンピックは、カラーテレビで競技が放映された初めての大会でした。2020年の東京オリンピックはどうなるでしょうか? モバイル視聴が当たり前になる最初の五輪になるかもしれません。そんな可能性を秘めていると感じます。2020年の東京オリンピックでは、オーディエンス、クリエイター、広告主がお互いに協力しつつ、日本のクリエイティビティを世界中に見せられると思っています」と意気揚々に語った。