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第106号(2024年10月号)
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統括編集長インタビュー

「全国の生活者、メーカー、売り場を巻き込んだ共創を」CCC×Blaboで実現する顧客視点の価値創造

 2万5千人が参加する共創コミュニティ「Blabo!」を運営する株式会社Blabo(以下、Blabo)がカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社(以下、CCC)のグループ会社となった。生活者、メーカー、売り場を巻き込み、全国規模での共創を実現させる狙いだという。これまで大手企業から行政まで200社以上が活用し、150個以上の商品やサービスを生み出したBlaboがCCCのグループ会社となり実現したいことは? Blabo代表の坂田直樹氏に聞いた。

CCC増田氏との運命的な出会い

―― Blabo!はこれまで日本コカ・コーラ、キリンビール、直近では発売から4か月で400万個以上を売り上げたハウス食品の「シチューオンライス」などの商品開発にも関わり話題を呼んでいました。生活者の声をダイレクトに商品開発へ活かす発想がユニークだと感じていた最中での今回の発表。まずは、きっかけや経緯を教えてください。

株式会社Blabo 代表取締役社長 坂田直樹氏樹
Blabo 代表取締役社長 坂田直樹氏

 CCCグループが主催するベンチャー企業向け協業プログラム「T-VENTURE PROGRAM」の第四期にて優秀賞を受賞したことがきっかけで、具体的に今回の話が進みました。でも、実はそれ以前からCCC代表取締役社長 兼 CEOの増田さんとお話する機会が何度かありました。会話が進む中で増田さんからは「ええやないか。おもろい! 一緒に大きなことをやろう」というお言葉をいただいて。正直、その言葉が背中を押しました。もちろんその後、CCCとBlaboのシナジーを図るために現場ではビジネスモデルを共同で練ったり、テストを重ねてきました。

 CCCが保有する6,700万人の生活者ライフスタイル・データベースとBlaboが強みとする生活者インサイトを発見できるコミュニティを活用し、生活者の本音に基づいた商品開発手法を掛け合わせることで、より大きなことが実現できるイメージが湧いたのです。

 圧倒的な量のデータベースを活用できるといった点はもちろん、CCCと連携することで私たちだけでは実現が難しかった売り場も巻き込むことができます。具体的には、私たちはこれまで主にメーカーさんとプロジェクトを進め、生活者の本音をダイレクトに反映した商品開発を実現してきましたが、リテール、いわゆる売り場まで踏み込むことができませんでした。CCCの基盤を活かすことで、生活者、メーカー、そして売り場までを巻き込んだ商品開発ができるのです。

―― より大きなスケールでの共創の絵が描けたと。今回CCCがBlaboの発行する株式100%を取得し、BlaboはCCCのグループ会社となり共創マーケティング関連サービスの強化と事業規模の拡大を図るとのことですが、どのような体制になるのでしょうか。

 Blaboの代表取締役CEOは、引き続き私が務めますので私たち自身の活動は変わりありませんが、CCC側からBlaboへ人材を招くなどの人材交流は積極的に図っていきます。Blabo自身の価値やカルチャーを尊重いただいたのも、今回の話が進んだ大きな理由の一つです。

 また、私がCCCグループ企業の役員へ就任予定だったり、私自身としても新しいチャレンジができることにも可能性を感じています。

1→10フェーズでの最善手

―― Blaboの共創の取り組みがグッドデザイン賞を受賞したり、NHKの『おはよう日本』で取り上げられるなど、世間的にも生活者の声を集めた商品作りに注目が集まりつつある印象です。Blabo自身の状況は追い風だったように推測しますが、そういった中でたとえばIPOで資金調達など頭をよぎらなかったのでしょうか。

 おっしゃるとおりで、たくさんのお引き合いをいただいておりました。売上も毎年200%成長のペースで増加する中で資金を調達し、IPOを目指すという選択肢もなかったわけではありません。ただ、調達したらユーザーが増えるわけではありません。一方で、6,700万人のT会員の方々のうちの数%の方に参加してもらっただけでも、これまでとは比較にならないスケールの生活者の本音を集めることができますし、さらに小売店で販売することまで可能となります。

 おかげさまでBlaboはビジネスモデルも確立し、ユーザーサービスも順調に成長しており、も0→1のフェーズは去年ぐらいで終わっていました。次は1→10のフェーズと考えた時に、自分が描く世界を実現させるためには今回のお話が最善の選択でした。CCCは世界一の企画会社になる、私たちは生活者を企画者にする、互いのビジョンを実現するための共通項は「顧客視点」であり、その実現に向けて共闘できると考えたのです。

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この記事の著者

押久保 剛(編集部)(オシクボ タケシ)

メディア編集部門 執行役員 / 統括編集長立教大学社会学部社会学科を卒業後、2002年に翔泳社へ入社。広告営業、書籍編集・制作を経て、2006年スタートの『MarkeZine(マーケジン)』立ち上げに参画。2011年4月にMarkeZineの3代目編集長、2019年4月よりメディア部門 メディア編集...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2018/08/07 13:00 https://markezine.jp/article/detail/28922

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