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西友を売却しD2C企業と手を組む、ウォルマートの意図

2018/09/25 15:15

 米国やグローバルにおける広告・マーケティング業界の最新情報をまとめたデジタルインテリジェンス発行の『DI. MAD MAN Report』。そのカットアップ版をお届けする本連載。今回は店舗投資から、オンライン上の顧客獲得へ投資をシフトさせるウォルマートの意図を紹介する。

※本記事は、2018年9月25日刊行の定期誌『MarkeZine』33号に掲載したものです。

店舗投資から、オンライン上の顧客を獲得する投資へ

 去る7月12日、日本経済新聞が、ウォルマートが日本の西友ネットワークを売却し、日本での実店舗運営から撤退する意向であると報道した。現時点ではウォルマート側からのオフィシャル報道はない。しかしウォルマートは、近年オンラインの顧客アカウントを有する「Jet.com」「BONOBOS」「ModCloth」「Shoebuy.com」等のD2C企業※1をM&Aで連続に買い集めている。今年1月には楽天との戦略的提携も行った。表面的な実店舗投資からオンライン上の顧客アカウントを獲得する投資へシフトしていることは明白だ。

 ウォルマートは、旧来の流通企業やCPG企業(実店舗はもちろん、オンライン上における通販企業に至るまで)における、「ファネル頼み」の事業への投資を控えている。これまでのウォルマートはファネル上部を目がけて店鋪を増設し、顧客が目にする確率の高い「テレビCMのGRP投下量」や、「商品棚の獲得」、「来客数の増加」という「物量策」にもとづく店舗に向けた投資が大半であった。これらの「匿名の既存顧客」による購買が収入源となる、旧来的なマーケティング事業からの脱却を図っているのだ。

 西友などのこれまでの店鋪ネットワークは、日々の来店者個人の好みを把握する以前に、それらの人々が「誰」なのかさえ把握できていない。ウォルマートはファネルからの流入頼みのネットワークは、もはや未来の資産とはみなさず、現在の利益に惑わされることなく、資産の入れ替えのために判断した動きだ。

※1 D2Cは「Direct to Consumer」の略。BONOBOSの創業者であるAndy Dunnの造語「DNVB(Digital Native Vertical Brand)」と同意。消費者に対して、自社で企画・製造した商品を自社の販売チャネル(多くはECサイト)で直接販売するモデルのこと。

本コラムはデジタルインテリジェンス発行の『DI. MAD MAN Report』の一部を再編集して掲載しています。本編ご購読希望の方は、こちらをご覧ください。


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