SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

定期誌「MarkeZine」

第71号(2021年11月号)
特集「きれいごとで終わらせないパーパス・ブランディング」

定期誌購読者なら
誌面がウェブでも読めます

業界キーパーソンと探る注目キーワード大研究

Amazon、アリババとの根本的な差別化で急成長中、インドのEC「Tata CLiQ」とは?

 昨今インドで急成長を遂げているECプラットフォームの「Tata CLiQ(タタクリック)」。オフライン店舗とのシームレスなサービス統合、ブランドとファン第一主義、富裕層をターゲットにしたニッチな市場戦略などでAmazonやアリババとの差別化を図っている。「CXこそがビジネス成長の源泉である」というTata CLiQの戦略について、詳しい話を聞いた。

マスでなくニッチなマーケットで仕掛けるTata CLiQ

 1868年に綿貿易会社として設立されてから今日まで、インドで数多くのビジネスを展開してきたタタ・グループ。同グループは、現在100社以上の企業で構成されており、自動車事業のタタ・モーターズ、製鉄事業のタタ製鉄のほかIT、電力、ホテルリゾート事業、食品など、そのビジネスの領域は多岐にわたる。

 そんな同グループが、インターネットビジネスに参入し、ECサービス「Tata CLiQ(タタクリック)」のローンチを決めたのは2013年のこと。当時すでにAmazonとアリババがグローバルで勢力をふるっていたため、これらとの差別化は必至であった。

 そこで同グループが取った戦略は、「マスマーケットでなくニッチなマーケットを攻める」というものだ。その意図を、Tata CLiQでChief Technology Officerを務めるSauvik氏は、次のように話す。

TataCLiQ Chief Technology Officer Sauvik Banerjjee氏
TataCLiQ Chief Technology Officer Sauvik Banerjjee氏

 「Amazonは商品を仕入れて販売するという顧客中心の直販型、アリババは中小企業や個人などベンダーに向けたビジネスモデルを展開しており、両者のタイプは異なります。ですが、そのオペレーションモデルは同じで、自社の倉庫で在庫を大量に保管し、そこから商品をデリバリーしています。

 ここにかかるコストは、年間で何十億ドルにも上ります。この点を加味して我々は、『顧客ケアを重視することで差別化を図る。そしてこれこそが我々ECのブランドになる』と考えました」(Sauvik氏)

Amazon、アリババとの差別化で打ち出した3つの戦略

 そこで、Tata CLiQが打ち出した差別化のための戦略は3つだ。

 1つ目は、ブランドファーストとそのファンを第一に考えるサービスの設計である。従来ECビジネスは、顧客と販売者を中心に運用されてきたが、Tata CLiQではブランドとそのファンを重視している。詳しくは後述するが、ブランド企業に向けたデジタルマーケティングの支援も厚い。

 2つ目に、物流改革によるオムニチャネル化で差別化を図った。Tata CLiQではフルフィルメントをブランドのオフライン店舗で行い、商品は店舗から顧客へ発送される仕組みになっている商品の価格も実店舗と連動しており、店舗でセールが行われていれば、Tata CLiQでも同じセール価格で販売される。オンラインで購入した商品を実店舗で返品することも可能で、ブランドにとっても顧客にとってもオフラインとオンラインがシームレスに統合されたマーケットが形成されている

 3つ目に、ター3ゲット層をマスではなくブランド志向の富裕層にした。ターゲットの年齢層は、35~60歳。扱っている商品は、グローバルで認知度の高いハイブランドやインドのラグジュアリーブランドに加え、アサヒスーパードライなどインドではなかなか手に入らない商品などが主だ。ジャガー、ランドローバーなどの高級車も扱っているというと驚くのではないだろうか。幅広くリーチするのではなく、ニッチな市場で手厚く顧客ケアをすることで競合との差別化を図っている。

会員登録無料すると、続きをお読みいただけます

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

次のページ
なぜ、ブランド企業はTata CLiQに商品を載せたがるのか

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
関連リンク
業界キーパーソンと探る注目キーワード大研究連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

松崎 美紗子(編集部)(マツザキ ミサコ)

1995年生まれ。早稲田大学商学部を卒業後、新卒で翔泳社に入社。新入社員として、日々奮闘中です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2018/10/05 08:00 https://markezine.jp/article/detail/29304

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング