なぜ、ブランド企業はTata CLiQに商品を載せたがるのか
現在Tata CLiQのマーケットプレイスに参加している企業は、約1,400。さらにこれから300のブランドが加わる予定だという。中には、Tata CLiQしかECでの販売権利を付与していないブランドもある。
たとえば、ラルフローレンのインテリアコレクション「Ralph Lauren Home」は、Tata CLiQにしか商品をのせていない。このように、ブランド側がTata CLiQのマーケットプレイスへの参画を求めるのには、Tata CLiQ自体のブランド力だけでなく、先述したデジタルマーケティングにおけるメリットも関係している。
Tata CLiQでは、各ブランドごとにデジタルマーケティングのための予算が設けられている。これにより、マーケットプレイスにおけるデジタルマーケティングを、Tata CLiQ側で実施。Tata CLiQのECサイト上のトラフィックに加え、FacebookやInstagramにおけるトラフィックデータも無償で提供している。こうした取り組みが、ブランド企業から支持されているのだ。
「各ブランドが新しい商品をリリースするとき、Tata CLiQに新商品をのせてほしいと言います。これには、Tata CLiQに商品をのあせることで売上拡大につながることも関係していますが、品質の良いものを求めているユーザーのデータにもニーズがあるのです」(Sauvik氏)
CXがビジネスの成長の源泉である
Sauvik氏は「TataCLiQの成長の源泉は、カスタマーエクスペリエンス(以下、CX)にある」と話す。また、CXの向上に向けてデータを駆使しているという。
具体的には、カスタマージャーニーに沿って、商品の検索から購入後までに10個のデータポイントを設け、それぞれにおけるNPS(ネット・プロモーター・スコア)を測定。NPSの調査には、電話やSNS、メールを活用している。
さらに「ユーザーが各ポイントで満足しているか」を測定する過程で、何か問題を発見した時には、2分で対応しているそうだ。常にユーザーとの接点を持っているからこそ、ユーザーへの手厚いサポートが実現し、ロイヤルカスタマーがビジネスの成長をもたらす。

急成長を遂げているTata CLiQは、どのようなビジョンを描いているのか。インタビューの最後に聞いてみると、Sauvik氏からは次のような答えが返ってきた。
「ゆっくりと着実に拡大していきたいと考えています。我々の目標は、20億の売上を上げるプラットフォームにTata CLiQを成長させることと、すべてのタタ・グループ企業を上場させることです。そして、我々が形成しているマーケットプレイスは、今後多くのブランド企業にとってニュートラルなものになっていくと考えています」(Sauvik氏)
