ターゲット顧客の抽出→最適化
以下に、サイト訪問者の中からターゲット顧客を抽出し、それに合わせて最適化するまでの全体像を示します。全体のフローは、PDCA「計画(PLAN)‐実行(DO)‐評価・改善(CHECK&ACTION)」のフェーズに分かれます。
計画フェーズにおいて、ウェブ担当者は、先ず、ターゲット顧客の設定に利用できるセグメント情報を確認します。セグメント情報とは、対象サイトにおける流入キーワードの種類、掲載している商品カテゴリ数、訴求コンテンツの種類、属性などです。
例えば、転職サイトの場合、企業の求人情報から職種や業種別のセグメント情報と、会員登録者と会員未登録者をセグメント情報として利用することができます。有効となるセグメント情報が、「IT業界」「電気メーカ」と「新規」「非会員」「会員」である場合、最大6(3x2)つのターゲット顧客層に絞りこむことができます。サイト訪問者からターゲット顧客を抽出するためのセグメント情報としては、広告や自然キーワード等の流入情報、IPアドレスから判別するエリア情報、閲覧履歴から判別するページ情報、進入したページ階層から判別するステータス情報、ユーザ登録した属性情報が利用されます。(詳細は下表参照)
抽出方法 | ターゲティング内容 | 例 |
---|---|---|
流入経路 |
サイト訪問者の流入経路に応じたターゲティング機能。流入時のキーワードや広告や流入元ホスト別に異なるクリエイティブを表示する。 | 「予防」と「治療」 「www.activecore.jp」 |
ページ |
サイト訪問者の行動履歴からよく閲覧しているページセグメント(カテゴリ)に適したクリエイティブを表示する。 | 「スポーツ」「ファッション」「トラベル」「不動産」 |
エリア |
訪問者のIPアドレスから都道府県を判別するターゲティング機能。同じキーワードで訪問した場合でも、東京と大阪のユーザに対して異なるクリエイティブを表示する。 | 「東京」「大阪」「福岡」 |
行動 |
サイト訪問者が進入したページを基準にステータスを判別したリターゲティング。到達ページ毎(申込フォーム、購入ページ)にユーザを「潜在客」・「見込客」と区分し、ステータス(区分)別に異なるクリエイティブを表示する。 | 「直帰ユーザ」と「離脱ユーザ」「申込フォームまで来たユーザ」「会員」と「非会員」 |
ユーザ属性 |
ユーザが登録した情報から性別、年代等の属性条件を組み合わせるターゲティング。例えば、同じキーワードで訪問した場合でも、「男性 独身」と「男性 既婚」のユーザに対して異なるクリエイティブを表示する。 | 「男性」と「女性」 「独身」と「既婚」 「20代」と「30代」 |
ターゲット顧客が抽出できたら、次に、訴求する内容を設定します。例えば、ターゲット顧客の閲覧履歴から、どのキーワードや広告に反応したユーザがどんな商品を購入する確率が高いか、商品購入の前にどのページをよく閲覧する確率が高いか、という傾向やニーズを把握し、ターゲット顧客に対して訴求する商品やコンテンツをクリエイティブとして設定します。
そして、各ターゲット層に対して、いつ、何を表示させるかといった訴求シナリオを設定します。一般的に、商品カテゴリ数が多い総合通販や旅行関連のサイトでは、購入経験者や会員登録者に対する再購入を訴求(クロスセルやアップセル)することを重視し、繁忙期が確定している健康食品や化粧品などの単品通販や教育関連のサイトは、新規ユーザやリピートユーザへの購入喚起や動機付けの訴求を重視する傾向にあります。