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MarkeZine Day 2018 Autumn

コニカミノルタジャパンが明かす、MA活用を成功に導く4ステップ

 品質の良さや価格の安さだけではグローバルの市場競争に勝ち残っていけないという現実に直面している日本の製造業。ビジネス環境の変化に適応するには、従来の「モノ売り」から顧客視点に立った新しいビジネスモデルへの転換が急務である。その大きなチャレンジに果敢に取り組んでいる一社がコニカミノルタジャパンだ。「MarkeZine Day 2018 Autumn」では、同社の営業プロセス改革の一環として進めているMA活用のプロセスと成果が披露された。

求められた既存ビジネス依存からの脱却

 コニカミノルタは2003年8月にコニカとミノルタが合併してできた会社である。2006年3月末にカメラ事業から撤退して以降、今では売り上げの78%が複合機やオンデマンド印刷機などを主力とする情報機器事業が占めるという。海外事業も積極的に展開しており、売り上げ全体の8割が海外からだ。

 主力の情報機器事業の競争激化とオフィス環境自体の変化が進む中、同社は物売りのビジネスからの脱却を課題と認識していた。コニカミノルタジャパンは2016年4月に事業ごとに分かれていた国内販売会社を統合して設立した会社であるが、同社が顧客の課題解決のパートナーになる「ソリューションプロバイダー」に変わるには、営業プロセスの改革が必要であった。

 危機感に駆られたコニカミノルタジャパンは、それまで全部で5つのフェーズに分かれていた営業プロセスのうち「興味喚起」「ヒアリング・情報提供」をデジタルマーケティングとインサイドセールスが担当し、それ以降の「提案」「成約」「他提案」を対面営業が担う体制に変えることにした。

 この新体制を支える基盤として情報インフラを刷新・強化するプロジェクトが2016年から始まったが、当初はプロジェクトがうまく進まないという事態に陥った。

新規事業で仮説立案&効果検証

 同プロジェクトに携わる井田氏は、うまく進まない原因が二つあったと振り返る。一つはプロジェクトメンバーが本社の経営企画部や情報システム部主体で、肝心の営業を抱える事業部不在で進んでいたこと、もう一つはツール導入やシステム構築の議論が先行し、プロジェクトのゴール設定が曖昧になってしまったことだ。

コニカミノルタジャパン株式会社 マーケティング本部 オフィス事業統括部 オフィス事業推進部 井田有里紗氏
コニカミノルタジャパン株式会社 マーケティング本部
オフィス事業統括部 オフィス事業推進部 井田有里紗氏

 これではいけないと考えたプロジェクトチームは立て直しを図る。体制については、改めてビジネスオーナーにもプロジェクトへの参加を呼びかけ、現場の課題を再整理した。テクノロジーについてはスモールスタートで導入することが決まった。

 「将来の全社展開を視野に入れていましたが、いきなり中核の複合機事業を対象にするのではなく、仮説立案と効果検証のステップが必要と考えたのです」(井田氏)

 そこでコニカミノルタジャパンは、プロジェクト計画を見直し、まず「デジタルマーケティング事業」、文書管理サービスの「Dispatcher Phoenix」、ネットワークカメラの「MOBOTIX」の三つを選び、それぞれが抱えるビジネス課題を解決するための施策を実施し、効果を検証することにした。

今回対象となった三つの事業、それぞれが異なる課題を抱えていた
今回対象となった三つの事業。それぞれが異なる課題を抱えていた

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この記事の著者

冨永 裕子(トミナガ ユウコ)

 IT調査会社(ITR、IDC Japan)で、エンタープライズIT分野におけるソフトウエアの調査プロジェクトを担当する。その傍らITコンサルタントとして、ユーザー企業を対象としたITマネジメント領域を中心としたコンサルティングプロジェクトを経験。現在はフリーランスのITアナリスト兼ITコンサルタントとして活動中。...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2018/10/29 09:00 https://markezine.jp/article/detail/29513

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