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ブランドリフト偏重に異議あり!CyberBullとインテージが取り組む、広告業界への挑戦

2018/11/16 08:00

 現在、様々な企業で動画の活用が進み、バナーやインフィード、ソーシャルメディアなどWeb上のいたるところで動画広告を目にするようになった。こうした動画広告の活用が進む一方、「多くの広告施策において、KGIである売上よりも、広告効果のKPIとしてブランドリフトが上がれば成功という考え方になってしまっているのではないか」と指摘するのが、CyberBullの須藤悠太氏とインテージの李相吉氏だ。業界への課題感、そしてその課題に対する両社の取り組みについて話を伺った。

その動画施策で商品が売れたか

MarkeZine編集部(以下、MZ):これまでの動画広告のKPIとして、そもそもブランドリフトでよかったのだろうか、というお話をCyberBullの須藤さんとインテージの李さんにお伺いします。まず、ブランドリフトをKPIに置くことについて、疑問を抱かれた背景を教えてください。

写真左:株式会社CyberBull 営業統括 須藤 悠太氏

 ナショナルクライアントを中心に、動画広告に特化したプランニング、提案を行う。

写真右:株式会社インテージ Life Log Data事業本部 クロスメディア情報部 部長 兼

    株式会社IXT(イクスト) 取締役 李 相吉氏

 データアナリストとしてインテージへ入社後、マーケティングROI(投資利益率)の計測、価格戦略や売上予測などに携わり、i-SSP(インテージシングルソースパネル)を立ち上げ、それ以降は広告効果測定を中心にクロスメディア事業を率いる。

須藤:私がこの業界に入って以降、動画広告におけるKPIはブランドリフトだ、と当たり前のように聞かされてきました。しかし、お客様と対話を続けていく中で、動画広告って本当に売上にインパクトを残せているのかどうかわからないというご相談をいただくようになりました。

 確かに、ブランドリフトや視聴率、リーチ数という指標をKPIとして設定する企業は多いです。しかしそれらの指標は売上を増加させるための構成要素の一つでしかなく、KPIに掲げるべきは「Web動画施策によって商品が売れたかどうか」だと考えています。

MZ:李さんはいかがですか。

李:私は広告と購買両方に関するデータを見ていますが、広告主はROIを高め、売れ続ける仕組みを作る必要があると思っています。しかし今、ブランドリフト一辺倒で施策を行う企業も多く、それはどうなのだろうか、という問題意識を持っています。

 広告の目的はブランディングだけではありませんよね? つまり広告主は売れ続ける仕組みを作るためセールスにも注目し、それに関連した指標を打ち立てるべきではないでしょうか。

まず消費財で売上への寄与度を可視化

MZ:そもそも、ブランドリフトを指標にしようという動きは、広告主と広告代理店、どちらから始まったものなのでしょうか。

須藤:施策の評価方法としてブランドリフトを設定してるのは、どちらかといえば広告代理店側です。広告主の方の多くは、その商材が売れたかどうかを一番重視しますから。

 ただ、そもそも広告が売上にどれほどインパクトを与えられたか、という投資対効果を可視化するための仕組みは存在しておらず、広告主が、どれだけ広告の投資対効果を知りたくても、選択できる手段がありません。そのため、代理店に言われるがままブランドリフトを追いかけているケースもあるのではないでしょうか?

李:これまで一般的だった代理店側から提案を受け、それに対し予算を出して終わり、になるのは問題だと思っています。広告主がデータをもとに仮説を立て、対等な立場でインタラクティブなオリエンテーションを広告代理店とするべきです。

 そのためにはまずは広告主が効果を可視化、数値化させるべきというマインドを持ち、そのための仕組みを取り入れる。そして広告代理店はその仕組みで得られた数字をもとに、売り上げに寄与する最適な施策を提案する。このような流れになると、良いと思います。

須藤:売上への広告の寄与度を可視化するといっても、購買サイクルは業界や商材によっても違ってきます。お菓子や飲料といった、いわゆるFMCGと呼ばれる日用消費財のように購買サイクルが短い製品と、自動車や住宅といった購買サイクルが長い商材では売上への広告の寄与度を可視化する難易度も変わってきます。

 私たちは、まずはデータをしっかりと可視化するためにも、購買サイクルの短い日用消費財から、売上への貢献度を可視化していきたい。その上で、売上から逆算した動画広告のプランニングを実現したいと考えています。

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