※本記事は、2018年11月25日刊行の定期誌『MarkeZine』35号に掲載したものです。
テレビCMのメリットとデメリット
テレビCMに代表されるマス広告からデジタル広告へのシフトが進んでいます。電通イージス・ネットワークが今年6月に発表した「世界の広告費成長率予測」によれば、2018年には、世界の総広告費に占めるデジタル広告費のシェアは38.4%となり、初めてテレビ広告費を上回るとされています。日本においても同様の状況で、今年2月に電通が発表した「日本の広告費」によると、2017年のテレビメディア広告費1兆9,478億円に対し、インターネット広告費は1兆5,094億円と、テレビメディア広告費に迫っています。
デジタル広告のメリットとして、マス広告に比べてターゲティングや広告効果の測定がしやすいこと、比較的テレビ視聴時間の短い若年層へリーチしやすいことなどが挙げられます。一方、マス広告の代表であるテレビCMは、広範囲の生活者に対して企業や商品のイメージを視聴覚的に伝えられるというメリットがありますが、どのような効果があったかが見えづらく、効果測定方法の検討が課題でした。ただし、最近のデータ収集環境の改善で、テレビCMに関するデータの拡充が進み、テレビCMの効果が見直されつつあります。
本稿では、テレビCMの効果の可視化を目的として、テレビCM接触データと小売店の販売データの関連を調べ、テレビCMが販売に与える影響について考察します。
▶調査レポート
「テレビCMの効果はどう可視化できる?販売データとの関係性」(Intage 知る gallery)