自分が欲しい手帳アプリを求めて作った「Lifebear」
2012年7月にリリース以来、多機能手帳アプリとして人気を集める「Lifebear」。カレンダー・ToDo・ノート・日記の4機能がひとつに集約されており、iOS、Android、Webブラウザ版があるため、スマートフォンやタブレット、PCなどマルチデバイスで使うことができます。スタンプや着せ替えなどカスタマイズ性も高いことから、若者やビジネスパーソンなど幅広い層から支持を得ているアプリです。
「起業した2011年当時、世の中に『自分の欲しい手帳アプリ』はありませんでした。Lifebearは、多機能で『紙の手帳』の代わりになることを目指して作ったアプリです」と話すのは、ライフベア代表取締役の中西功一氏。開発に1年余りが費やされたLifebearは、リリース直後から「最強の手帳アプリが出た」などとメディアで紹介され、瞬く間にユーザー数を伸ばしていきました。
リリース当初はユーザー獲得に注力し、マネタイズには力を入れていなかった同社。現在ではアプリ内広告、有料版によるマネタイズに加え、2014年7月からはauスマートパス会員向けにプレミアムプランを提供しており、それが収益の3本柱となっています。
データを基に「現在の立ち位置」と「目指すべきポジション」の差を定量的に把握
創業当時、アプリを提供するスタートアップを取り巻く環境が整っていなかったこともあり、外部からの資金調達をせず自己資本で運営を続けてきたライフベア。広告出稿に頼ることなく、オーガニックでのユーザー獲得で成長を実現してきました。
2016年にアプリ分析ツールであるApp Annie Intelligenceの導入を決めたのは、ストアでの総合ランキング上位獲得が狙いだったと中西氏は振り返ります。
「当時、オーガニックでのダウンロードを増やすためには総合ランキングに入るのが重要でしたが、Lifebearはそこに入るか入らないかで推移していました。そのため、いくつダウンロードされればランクインするのか、明確な数字が知りたかったんです」(中西氏)
データを基に、現在の立ち位置と、目指すべきポジションの差を定量的に把握することで、施策の方向性が見えやすくなると中西氏は言います。
「あと何ダウンロード増加すれば総合ランキングに入れるのかが知りたかったんです。もし、そこの差があまりないのであればASO強化のような対策でランクインすることができると思いますし、乖離が大きいのであれば、広告出稿やアプリ自体にネットワーク効果があるような機能を入れる必要がある、という具合に打ち手が見えやすくなります」
また中西氏は、ユーザー獲得の要でもある同社のASO戦略について、以下のように語ります。
「弊社の場合、アプリのレビューがよかったのでビッグワードでも上位掲載が狙えました。そこで、小さいワードはあまり気にせず、『カレンダー』『スケジュール』『手帳』『カレンダー無料』のような、ビッグワードを狙っていきました。その上で、App Annie Intelligenceで自社と競合の順位やダウンロードへの効果を見ながらキーワードの入れ替えを行いました」