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地方に学ぶ、「攻めた」クリエイティブ・企画

コラボ×地方PRで、他の都道府県と差別化!佐賀県の「サガプライズ!」の実態に迫る

 地方の広告クリエイティブやキャンペーン、Web動画に目を当てるとユーモアであったり、斬新であったりすることがありませんか? 本連載では、地方から「攻めた」クリエイティブや企画を繰り出している地方自治体の担当者や仕掛け人にインタビュー。今回は佐賀県のコラボレーションプロジェクト「サガプライズ!」について、担当者2名に話を聞きました。

既存の方法にとらわれない地方PRを

MarkeZine編集部(以下、MZ):今回は佐賀県が取り組むコラボレーションプロジェクト「サガプライズ!」について中島さんと岩本さんにお伺いします。まず同プロジェクトを始めようと思ったきっかけについて教えてください。

写真左:佐賀県 政策部 広報広聴課 サガプライズ! プロデューサー 中島いずみ氏

 佐賀県庁の東京オフィスに勤務し、「サガプライズ!」の実施にまつわる業務全般を担当している。

写真右:同課 岩本麻衣子氏

 中島氏と同様の業務を担当。

中島:「サガプライズ!」は、佐賀県と県内外の人や企業と取り組むコラボレーションプロジェクトとなっています。こちらに取り組む背景には、地方PRにおける現状がありました。

 地方自治体の情報発信には、アンテナショップの運営、ゆるキャラの活用、PR動画の制作など色々な手法があります。しかしながら、情報がありふれている現在、それらの方法に乗っかるだけではなかなか佐賀のことは知ってもらえないだろう、と思ったんです。そこで考えたのがコラボレーションでした。

MZ:既存の方法には取り組んでこなかったのですか。

中島:「サガプライズ!」の事業設計時に色々と検討しましたが、佐賀県のアンテナショップを作るのではなく、まずは佐賀のことを知っていただく必要があると考えました。

MZ:新しい情報発信の形で、佐賀を盛り上げていこうと考えたわけですね。「サガプライズ!」はどのような流れで進んでいるのですか。

中島:仕組みとしては、ただ企業やブランドとコラボするだけではなく、それをきちんと情報発信・話題化するような形で企画・実行する、それを佐賀県内にフィードバックする、地域活性化につなげていくというサイクルを回し続けています。

ゲームやアニメとのコラボは偶然の産物

MZ:実際の事例をもとに、どのようにサイクルを回しているか教えてください。

中島:最近の例を挙げると、アニメ「銀魂」とのコラボです。こちらの企画では、佐賀県知事が主人公である銀さん(坂田銀時)率いる万事屋に佐賀のPRを依頼したという切り口で、Webでの拡散を狙ったコミュニケーションを実施しました。そこで話題化した後、佐賀県内でイベントを行うことで、県内外の人に来てもらい、地域の活性化につなげた事例になります。

 この際重要なのは、佐賀県内の企業や団体とも協力するということです。温泉旅館や飲食店の方々と一緒になって取り組むことで、官民一体の情報発信を実現しました。

 また、ゲームやアニメとのコラボで注目されることの多い「サガプライズ!」ですが、他にもメディアアーティストの落合陽一さんなどともコラボしており、現在発表しているプロジェクトの数は23になります。

MZ:元々ゲームやアニメとのコラボを狙っていたのですか。

中島:いえ、立ち上げた当初はアニメやゲームに関するコラボの予定はなく、初期段階では若い女性向けのプロジェクトがいくつか動いていました。しかし、そんな事業の転機になったのが、スクウェア・エニックスさんからご提案いただいた、ゲーム「ロマンシング サガ」とのコラボです。

 ちょうど同シリーズが25周年を迎えるということで、佐賀の観光連盟にスクウェア・エニックスさんが問い合わせをされたんです。その時ちょうど「サガプライズ!」が立ち上がって間もない頃で、観光連盟の方にご紹介いただきました。

 よくネット上では、「佐賀にはゲーム好きの仕掛け人がいるんじゃないか」と言われることが多いのですが、実際にはこのコラボで反響があったから注力し始めたのです。本事例におけるコンテンツの情報発信力、ファンの方の消費行動力を通じて、佐賀に興味がない層にも情報を知っていただけるということに気づきました。

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2018/11/28 08:00 https://markezine.jp/article/detail/29760

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