YouTuber活用という先行投資
――スタートして半年ほど経ちましたが、反響はいかがですか。
池田:そもそも前例がないものですから、成功か失敗かはまだ判断できません。今は試行錯誤の段階だと考えていますが、現時点での視聴者データを分析してみると、想定している若年層へリーチできていると思います。

とはいえ、YouTubeの視聴者層も、以前と比べ年齢層が上がっているはず。ユーザー像を正しく捉え、データも把握しながら、コンテンツの制作をきっちり行っていきたいと思います。
――今後改善したい点はありますか。
まずは、再生数・チャンネル登録数を増やす施策を考えなければなりませんが、数字が上がれば良いというわけでもないと考えています。今の形が最終形ではないでしょうし、YouTuberと一緒に取り組むことで、様々な可能性にチャレンジしたいですね。
YouTuberと金融という組み合わせは珍しいかもしれませんが、先んじて今やることにメリットがあると判断しています。社内でも、動画チャンネルの重要性を理解しつつ、活用法は議論し続けているところです。
社会の金融リテラシーを上げ、日本経済をより良いものに
――最後に、マネーの亀における今後の展開、そして金融の将来について教えてください。
池田:個人としては、コンテンツのリアリティを重視したいと考えています。今の企画だけでなく、証券投資などに興味があるというYouTuberの方から自ずと参加いただけるような、広がりのあるムーブメントが作れると嬉しいですね。
そして、将来に向けた話をしますと、銀行口座を開くように証券口座を開くことが当たり前の時代になってくれたらと思います。投資をしなくても、金融に関する情報収集や相談先として活用していただけますし、正しい知識を得ることで、あやしい儲け話を防ぐこともできます。
先ほどお話をしたように、大人から子供まで、金融について学びたいという意識を持つ流れは、もっと強くなっていくと考えています。
投資はマーケットに紐づいており、その背景には政治や経済などの動向があります。それらに関心を持ち、「たしなみ」として知ることは悪いことではありません。
現在、国内の個人金融資産は1,800兆円ほどと言われています。資産運用を通してこうした金融資産が増えていくことは、日本の社会にとっても大事なこと。マネーの亀をはじめとした私たちの活動が、その一助になれればと考えています。