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野村證券に聞く、YouTuber×金融という意外なコラボの理由


 インフルエンサーの代表格であるYouTuber。企業とのコラボ動画が増える中、金融という一見堅そうな業界で彼らを起用した取り組みを行う企業がある。それは、野村證券だ。同社とUUUM社が運営するYouTubeチャンネル「マネーの亀」では、人気YouTuberが証券投資の基礎やお金の価値についてユニークに伝えるコンテンツを展開している。その取り組みの狙いと詳細を、同社の広報担当・常務である池田肇氏に聞いた。

野村證券×YouTuberで届ける、金融コンテンツ

――野村證券では、2018年8月より「マネーの亀【MANEKAME】」(以下、マネーの亀)というYouTubeチャンネルを開設していますね。どのようなチャンネルか、ご紹介ください。

野村證券株式会社 広報担当・常務 池田肇氏

池田:マネーの亀は、人気YouTuberである瀬戸弘司さんとカリスマブラザーズのジョージさんを起用し、新しい切り口で資産運用やお金との付き合い方をお届けする動画コンテンツです。

 瀬戸さんとの企画は、ご自身の預金100万円を実際に投資してみようというもの。将来のお金に対する問題意識があるものの、証券投資に関することはまったく知らないという瀬戸さんが、ビギナー代表として、弊社の社員と一緒に投資のイロハを学んでいきます。

 この企画では、証券投資に興味はあるけれど、何からスタートしたら良いかわからないという方をターゲットにしています。瀬戸さんを通して、証券投資に対する興味から行動への後押しにつなげたいと考えたからです。

――動画では「銀行と証券会社の違いは何?」「証券会社は何をしてくれるの?」など、瀬戸さんの疑問が初心者目線で非常にリアルだと思いました。

池田:証券投資はあくまで手段の一つです。瀬戸さんとの企画では、増やしたお金で自分の生活をどうデザインするのかが、大きなテーマとなっています。

 一方、ジョージさんとの企画は、お金の価値や使い方を考えることがテーマです。たとえば日常においても、1,000円のランチを食べてみたらおいしくて、2,000円くらいの価値があったと感じることがあると思います。この実際のコストと感じた価値の差額を「心の貯金」として、100万円の資金を元にどのくらい心の貯金ができるかという企画になっています。

 実際に使ったお金のプラスアルファの価値を可視化しているため、マイナスになるということもあります。

YouTubeを若年層とのタッチポイントに

――YouTuberと企業のコラボコンテンツは増えていますが、ビジネス色の強い金融業界とのコラボは意外でした。企画の背景についてうかがえますか。

池田:今回の企画は、若年層との接点を作る目的でスタートしました。野村ホールディングスでは、1990年代頃から金融経済教育というCSR活動を行っています。金融や投資に関する知識を知る機会が少ないという問題意識から、私たちなりの社会貢献として、教育機関(小中高大)を中心に、金融に関する講座を展開してきました。

 また、日本経済新聞社さんと一緒に、中高大学生のための株式学習コンテスト「日経STOCKリーグ」という学習プログラムも主催しています。

 以前は「子供にお金の話をするなんて」と、このような活動を疑問視する声もありました。しかし現在では、先生や保護者の方から正しい知識を教えてくださいというご要望が増えており、金融教育のニーズは高まっています。

 これら金融教育への実績とそのニーズの高まりを受け、「マネーの亀」の立ち上げに至ったのです。

――新規顧客の獲得ではなく、まずは金融への理解・興味を持ってもらうための企画なんですね。

池田:もちろん、将来的にはビジネスにもつなげたいと考えています。私ども野村證券は、約530万の口座をお預かりしており、国内でもトップクラスです。しかしながら、高齢化という社会全体の動きにともなって、弊社のお客様の全体的な年齢層も上がってきています。

 若年層はすぐに資産運用が必要ではないにしても、野村證券を身近に感じていただき、利用の機会を生み出したいという狙いもあります。

 さらに、ここ10年ほどの間で相続への関心が高まっています。生前贈与なども考えますと、親から子、祖父母から孫へなど、次世代やさらに次の世代へ資産が移転していくという動きがあります。そのような環境もあるからこそ、若年層に資産形成の知識を身に付けていただき、証券会社のサービスについても理解していただきたいと考えています。

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この記事の著者

マチコマキ(マチコマキ)

広告営業&WEBディレクター出身のビジネスライター。専門は、BtoBプロダクトの導入事例や、広告、デジタルマーケティング。オウンドメディア編集長業務、コンテンツマーケティング支援やUXライティングなど、文章にまつわる仕事に幅広く関わる。ポートフォリオはこちらをご参考ください。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/01/28 14:56 https://markezine.jp/article/detail/30040

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