2018年、国内広告・プロモーションの中で最もシェアされたのは?
こんにちは。スパイスボックス 事業統括責任者の森竹アルです。その時々の時流に合わせ、各コンテンツがシェアされる理由を分析してきた本連載。過去の記事では、企業プロモーション事例のほか、映画や音楽、政治など幅広い分野のコンテンツがソーシャルメディア上でどのようにシェア拡散され、生活者からどのように反応されているのかを解説してきました(前回記事はこちら)。
今回は、2017年も実施した、2018年における国内広告・プロモーションの「SNSシェア拡散ランキング」をお届けします。同ランキングでは、エンゲージメント数(※)を指標として、2018年に注目を集めた国内広告・プロモーションをまとめています。
※エンゲージメント数とは
いいねやシェア、コメント、リツイートなどFacebookとTwitterでの総アクション数に加え、対象コンテンツについて取り上げた記事に対するSNS上における口コミなどの総数。スパイスボックスの独自ツール「THINK」にて計測。
まずは下の図を見てください。こちらは、2018年に公開された広告・プロモーション施策(テレビCM・Web・グラフィックなど形式を問わない)のソーシャルメディア上でのエンゲージメントボリュームを計測し、ランキングにしたものです。
今回の記事では、ランキングに入った施策の中からいくつかピックアップして解説するのはもちろん、2019年のトレンド予想を行いたいと思います。
ファンの声への神対応で1位に「意識高すぎ!高杉くん」
最もエンゲージメント数が高かったのは、auが2018年1月からスタートしている新テレビCMシリーズの「意識高すぎ!高杉くん」のエイプリルフール企画です。
同企画は、神木隆之介さんが演じる男子高校生「高杉くん」が、漫画・アニメ「銀魂」の人気キャラクター「高杉晋助」に入れ替わるという内容。「高杉晋助」役の声優を務める子安武人さんが「高杉くん」の声をアテレコした特別限定テレビCMをオンエアしたほか、公式サイトや交通広告も「高杉くん」が銀魂の「高杉晋助」に入れ替わったバージョンになりました。
これらの立体的な展開が話題となり、「銀魂」ファンを中心に一気にエンゲージメントを獲得していきました。
この企画、実は2018年1月にテレビCMシリーズが始まったころから、「銀魂」ファンの間では既にSNS上で「高杉晋助とコラボできるのでは?」と話題になっていました。そうしたファンの期待に企業(公式)が派手に答えたことで、昨今SNS上でよく見る「公式が本気出してきた」文脈に乗って火がつきました。
企業の独りよがりな発想ではなく、ファンの声に耳を傾けて派手にアンサーするという構図が大きなエンゲージメントを生んだと考えられます。