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NewsPicks×Twitterの新番組「The UPDATE」が挑む、新たな広告の形

 ソーシャル経済メディアのNewsPicksは、1月8日からTwitter上でライブ経済情報番組「The UPDATE」の配信を開始した。既にオリジナル番組を配信するNewsPicksが、Twitterに進出した狙いはどこにあるのか。新番組のターゲットや今後の展開を、NewsPicks、Twitter双方のキーパーソンに聞いた。

NewsPicksとTwitterがタッグを組んだ背景

MarkeZine編集部(以下、MZ):まず、お2人の自己紹介からお願いします。

谷本:Twitter Japanの谷本晴樹と申します。様々なコンテンツを持つメディア各社とのパートナーシップを推進するチームに所属しており、主にニュース関連メディアを担当しています。

塩見:NewsPicks Studiosの塩見拓也と申します。NewsPicks StudiosはNewsPicksと電通の合弁会社で、番組などの動画コンテンツ制作を行う会社です。CGO(最高成長責任者)としてマネタイズ周りを担当しています。

2名写真
左:株式会社NewsPicks Studios Chief Growth Officer/株式会社電通 塩見 拓也氏
右:Twitter Japan株式会社 コンテンツパートナーシップ
シニアマネージャー(ニュース部門担当) 谷本 晴樹氏

MZ:NewsPicksとTwitterが連携し、Twitter向けのライブ配信番組を制作することになった経緯を教えてください。

谷本:Twitterの利用者の多くは、「いま世の中で何が起きているか」を知るためにTwitterを見ています。そのため、クオリティの高いニュースコンテンツを効果的にTwitterに配信していただくことで、エンゲージメント向上やスポンサー企業のブランドリフトになるのではないかと考えていました。特にアメリカではBloombergやBuzzFeedなどがオリジナルニュース番組を配信しており、大きな反響を得ています。

 日本では、NewsPicksが若年層のビジネスパーソンから高い支持を獲得しています。そこでのコンテンツをTwitter上で配信できれば、Twitter利用者にも喜ばれるのではないかと考えました。

MZ:塩見さんはいかがでしょうか。

塩見:動画の力を活用して、「NewsPicks経済圏」をより広げていきたい意識がありました。その経済圏を広げるにあたり、拡散性やアクティブな利用者が多いTwitterは欠かせない存在だなと。また、NewsPicks利用者はTwitterと連携して使っている方が多く、利用者属性も近しいので、今回の取り組みの立ち上げに至りました。

アウディとの先行事例でエンゲージメントが約3倍に

MZ:今回の取り組みとは、1月8日から配信開始したライブ経済情報番組「The UPDATE」のことだと思いますが、その前にも、先行施策としてスポンサードコンテンツの提供を行ったそうですね。

塩見:NewsPicksのプレミアム会員向けコンテンツの1つである、「WEEKLY OCHIAI」という番組の中で実施しました。NewsPicks有料会員限定ですが、非常に人気のある番組です。

 また、同番組では特に挑戦意識の高い視聴者からの大きな熱量があり、広告価値も高いのではないかと思い、Twitterさんと広告商品を展開することにしました。すると、話題拡散とニューエリート層へのリーチを目的にアウディ様に広告主として名乗り出ていただけたのです。

 そこで、アウディの新モデルであるThe new Audi A7 Sportbackのタグライン「自由をどう使うか」に入っている「自由」をキーワードに、NewsPicks・Twitter上で配信する番組の特別版を制作しました。同番組は、通常のプレミアム会員限定の番組とは違い、誰でも見られるスポンサードコンテンツとなっています。

 番組は生配信で、「あなたにとっての自由とは」という質問をTwitterの投票機能で投げかけました。非常に反応が良く、アンケートのエンゲージメントは通常の広告施策の約3倍になりました。

谷本:NewsPicksは非常に熱心な視聴者の集まるコミュニティが作られているので、Twitter上でも広く拡散されていました。アウディ、博報堂各ご担当と協力してコンテンツを作成し、NewsPicksファンとの深いエンゲージメントを獲得しつつ、それ以外への認知も拡大したというとても理想的な流れが描けたと思います。

MZ:アウディ様の広告は、どのように配信されたのでしょうか。

塩見:ライブ配信とアーカイブ配信、そしてダイジェストの動画にアウディ様のプレロール型のインストリーム動画広告を設置し、ブランドリフトを促しました。アウディ様のタグラインをもとにしたNewsPicks独自の番組設計と広告の世界観が一致し、広告を含め非常に良いコンテンツができたと思います。

左:ライブ配信中の様子
右:ダイジェスト動画で配信された広告

「The UPDATE」でリーチできる層は?

MZ: NewsPicks利用者にとっても、広告主にとっても、非常に有益なスポンサードコンテンツになったのですね。1月から始動した「The UPDATE」のコンセプトについて教えてください。

塩見:コンセプトは「経済が、わかる。あなたが、変わる」。古坂大魔王さん、NewsPicks佐々木CCOがMCを担当し、豪華出演者と激論を戦わせる討論番組です。忙しい若手ビジネスパーソンが週に1回、「The UPDATE」を見ることで、自分自身をアップデートできるヒントの得られる番組を目指し制作しています。

MZ:メインターゲットはどういった方でしょうか。

塩見:挑戦・変化を求める20~30代のビジネスパーソンです。情報のアーリーアダプターだけでなく、幅広い層の視聴者に参加してもらい、NewsPicks経済圏を広げていきたいと考えています。

MZ:谷本さんは、これらのターゲットに対してどのように情報を届けたいと考えていますか。

谷本:基本は「20~30代に響く届くコンテンツ」をベースに設計しています。若年層は、場所を問わず番組を見る傾向にもあるので、スマホ閲覧を前提とした仕様にしています。

 また、スピード感のある情報提供も重要だと考えています。ターゲット層となる方は、日々ネットを通じて膨大な情報を入手しているので、誰でも知っているような情報を配信しても興味を持ってくれません。最先端の情報をいち早く深掘りしたり、Twitterならではのインタラクティブ性を活用したりして情報を届けたいです。

MZ:番組はどういった構成になっていますか。

塩見:毎回1テーマを決めて、1時間生討論をする番組です。ライブでの熱量が番組の肝になってくると思っています。(@TheUPDATE_NP)で生放送する他、翌日以降にダイジェスト版も配信します。視聴者アンケートなどのユーザー参加型企画も随時走らせていくので、フォローしておけば常に番組に参加できる仕様になっています。

2軸で広告商品を提供

MZ:広告はどのような形式で提供していくのでしょうか。

谷本:基本的にプレロール広告であり、ライブ・アーカイブ・ダイジェスト配信の前に広告が流れる仕様となっています。

 もう一つ、「The UPDATE」内の1コーナーでスポンサーロゴを露出できる「コーナースポンサー」というパッケージも提供しています。既に、番組内のマネーコーナーにはマネーフォワード様がスポンサーとして出稿いただいています。

コーナースポンサー画像
コーナースポンサーの一例(2月12日放送回のマネーコーナー)

 また、コーナースポンサーの派生として、「The UPDATE」オンエア後に放送される「The UPDATE NEXT」というミニ番組で取り上げるというパッケージもあります。こちらも既に、経営および組織コンサルティングを行う識学様にスポンサーとして入っていただいております。2月末に公開予定です。

塩見:コーナースポンサーではオープニングCGも作成するのですが、その際、きちんと広告主の伝えたいメッセージを盛り込みます。ただ、ロゴが出るだけのスポンサードにはしていません。

広告主にもたらされるメリットとは

MZ:広告主にはどのようなメリットがあるのでしょうか?

谷本:クオリティの高いコンテンツの中で広告を露出できる点ですね。

塩見:視聴者が関心を持ちそうなコンテンツの周辺で一定数のリーチを確保できるので、ブランドリフトも期待できるかと思います。

 さらに、「The UPDATE」がターゲットとする、感度の高い若年層のビジネスパーソンは、経済的に影響力がある一方、テレビではリーチしづらくなってきている層でもあります。しかし、「The UPDATE」であれば、その層に対しマス広告に近い規模感でピンポイントに訴求できます。

谷本:アウディ様の事例で証明されたように、NewsPicks利用者の熱量は非常に高く、Twitterの拡散力と組み合わせることでより多くの方にリーチしていけるはずです。

視聴者・広告主双方に最適化したコンテンツを

MZ:最後に、今後の展望を教えてください。

塩見:今後はより多くのスポンサーと協力して多様性のある番組作りを行いたいですね。また、番組自体の拡張も考えています。たとえば特番の制作、人気コーナーの独立、1社提供の番組配信などです。視聴者・広告主の要望を柔軟に取り入れアップデートをかけていきます。

谷本:弊社は Twitter利用者に受け入れられるコンテンツをいかに提供していけるかを課題としています。そのため、利用者とNewsPicksの間をしっかりつなぐサポートをしていきたいですね。たとえば、Twitter上で話題になっているビジネスニュースをコンテンツに組み込んだりすることも可能だと思います。

 また、インタラクティブ性を活かしたコンテンツもどんどん出したいですね。若年層の情報入手のスピードは非常に早いので、そこに最適化した番組制作をサポートしていきます。

塩見:これらの理想を実現できれば、広告媒体としての価値も向上するはずです。その価値を広告主の方に伝えていけるようにしたいです。

 私達は、広告がつまらないものとは思っていません。既存の常識にとらわれず、広告価値を持ちながら、おもしろい・ためになるという、新しいバランスのコンテンツをつくっていければと思っています。

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この記事の著者

水落 絵理香(ミズオチ エリカ)

フリーライター。CMSの新規営業、マーケティング系メディアのライター・編集を経て独立。関心領域はWebマーケティング、サイバーセキュリティ、AI・VR・ARなどの最新テクノロジー。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2019/03/11 12:23 https://markezine.jp/article/detail/30229