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活字と動画の「次」をどうするか Voicy緒方氏が語る音声の可能性とマーケティング活用

ネット広告の10~20%は音声になる

――スマートスピーカーの普及や5Gの実用化といった流れもある中、私たちの生活は、音声によってどう変わっていくのでしょうか。

緒方:音声によって「人間がただ生活しているだけで情報が入ってくる」という世界になると予想しています。おそらく3年後には「天気予報を知るために、わざわざアプリを開いていたの? そんなの生活しているうちにどこかで得られるよね」という環境になり、さらに「通勤している間に、きょうのニュースは手に入るよ」という状況も普通になってくるはずです。

――情報への接触の仕方が変わっていく中で、音声が重要な役割を果たしていくようになるということでしょうか。

緒方:そうですね。アメリカでは、スマートスピーカーの普及率は41%、一週間で音声コンテンツに触れる人は9割を超えていて、生活の一部になっています。ネット広告についても、3割以上を音声広告が占めるようになると言われている。私は日本でも、ネット広告の10~20%は音声になると予想しています。

――具体的には、どんな生活シーンに音声が入ってくるようになるのでしょうか。

緒方:たとえばミュージカルのポスターにQRコードが付いていて、読み取るとその音源が流れる。そのままチケット購入のページに遷移できるという使い方は、弊社の音声配信技術で実現できます。それがいつどこで再生され、いつ離脱されたのかということも可視化できるので、企業は次の施策のブラッシュアップにも役立てられます。

 他には「あるメーカーの車に乗った時だけ聞ける放送」というのも生まれると思います。それが面白いとしたら、顧客は放送を聞くためにそのメーカーを選ぶということもあり得ますよね。企業は音声コンテンツでファンを増やしながら、記事広告的に枠の一部を他に売ることで、ひとつの事業として成立させることもできます。

 弊社ではこのように、企業が自分たちで音声放送業ができるようになることを目指して、インフラの構築を行っています。工夫次第で様々な使い方ができるので、音声がもたらす変化は、普通の人が考えているよりも、ずっとインパクトの大きいものになるはずです。

「生活しながら情報が届く」快適な世界を

――貴社では今後、どのようにサービスを発展させていくのでしょうか。

緒方:2月18日に実施した資金調達では、電通さんやTBSさん、中京テレビさんといった大手メディアにも参加していただきました。活字や動画の「次」として、簡単に出せてフレキシビリティの高い音声をどう活用するかということに、多くの会社が興味を持っているのだと思います。

 弊社としても、既存メディアと音声との掛け合わせや、音声での広告やプロモーションをどのように作っていくかを考えていきます。メディアやインフラを作りつつ、いろんな企業が活躍できるような場所を整えたいです。

 もっと大きな話をすると、いま私たちは、テレビの前に座ったり、新聞を開いたりと、情報を得るためにいちいち立ち止まっている状況ですよね。情報を得るのは自分の人生を豊かにするためだったはずが、いつの間にか、人生を犠牲にして情報を得るという方向へいってしまっています

 だからもう一度、「生活しながら情報が届く」という世界を作っていきたいです。その快適さからは逃れられないはずなので、その上で、訴求力の高いプロモーションも追求していきます。

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この記事の著者

蓼沼 阿由子(編集部)(タデヌマ アユコ)

東北大学卒業後、テレビ局の報道部にてニュース番組の取材・制作に従事。その後MarkeZine編集部にてWeb・定期誌の記事制作、イベント・講座の企画等を担当。Voicy「耳から学ぶマーケティング」プロジェクト担当。修士(学術)。東京大学大学院学際情報学府修士課程在学中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/03/13 08:00 https://markezine.jp/article/detail/30372

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