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マーケターの転職市場、いまどんな感じ?デジマ特化型エージェント「Symbiorise」に聞いてみた

 転職の売り手市場が続いているが、デジタルマーケティング業界の動向はどうなのだろうか。いま、デジタルマーケターに本当に求めているスキルとは。また、面接官の心を打つ経験の伝え方は。なかなか聞けない疑問を、クリーク・アンド・リバー社のデジタル領域に特化した求人サービス「Symbiorise」の担当者にぶつけてみた。

求められているのは「デジマ浸透の指揮を執れる」人材

左から、株式会社クリーク・アンド・リバー社 チーフプロデューサー 於保 真一朗氏 成岡 信享氏
左から、株式会社クリーク・アンド・リバー社 チーフプロデューサー 於保 真一朗氏
株式会社クリーク・アンド・リバー社 成岡 信享氏

――はじめに、おふたりがご担当されている領域について教えてください。

於保:私はデジタルマーケターやデータサイエンティストに特化した求人・案件紹介サービス「Symbiorise(シンビオライズ)」のプロデューサーです。企業のデータ・AI活用を、人材や組織作りの面から支援していて、採用面接に携わることもあります。また、企業のDMP基盤活用や分析業務、BI開発などのプロジェクトマネジャーとして、推進活動の支援をしています。

成岡:私は「Symbiorise」における人材紹介をメインに担当しています。企業とお話しする一方で、転職を希望するマーケターの方にもお会いして、転職活動を進めるお手伝いをしています。

――早速ですが、デジタルマーケターの転職市場観を聞かせてください。

成岡:ご存知の通り、企業の採用意欲は旺盛です。全体として「よい方がいたら採用したい」という状況が続いており、マーケターに限って言うと、優秀な方は企業間で取り合いになっている状態です。

――企業は今、どんなスキルや経験を持った人材を求めているのでしょうか。

於保:デジタルを組織横断で運営・活用するための、陣頭指揮を執れるマーケターが求められています。「デジタルを中核に据えたい」という企業が増えており、IoTやAI関連に加えて、DMPに代表されるデータ統合に関する相談をよく受けています。

 そのため、ビジネスの現場でデータを活用するためのプランニングや、デジタル部門以外の部署との連携ができる人へのニーズが高まっているのです。

 また、マーケティングテクノロジーの領域における専門家の需要も高まっており、データを整備、可視化、解釈、配信できる技能を持つ人が求められています。SQLやPythonなどの言語、統計や機械学習の知識などが求められるケースも増えていますね。

 要するに、ゼネラリストには顧客理解やビジネス理解を基に他部署や企業間と連携することが求められ、スペシャリストにはより高い専門知識に加えて、実装力のある技術が求められているといえるでしょう。

――反対に、転職を希望するデジタルマーケターからは、どのような相談が寄せられていますか。

於保:転職希望者側には、大きく分けて「スキルアップをしたい」と「環境を変えたい」「リーダーになりたい」というニーズがあります。

 スキルアップというのは、これまで取り組んできた業務はできるようになったので、さらに一歩踏み込みたいという場合。ネット広告のメディアバイイングやリスティング広告の運用といった特定の領域から、コンテンツプランニングやWeb解析、ターゲティング配信にも取り組みたい、という希望をお聞きします。また、「30歳までにこのスキルを身に着けたいから、今すぐ転職したい」という、年齢を意識した声もあります。

 デジタル領域に特徴的なのは「業界で代表的なツールやソリューションを使いたいので、それらを導入している企業に転職したい」というケースがあることでしょうか。Web接客やマーケティングオートメション(以下、MA)、DMP基盤の領域では、様々なツールやソリューションが新しく出てきますので、それらを提供するベンダーや販売代理店に転職する希望者がいます。

 また、「興味のある事業会社で消費者とコミュニケーションを取りたい」「企業での意思決定に関わりたい」という理由で、ベンダーや代理店側から事業会社へ転職したいという方もよく見られます。一方、事業会社で一通りの業務を経験し、実績が作れたので、次は様々な業種業態のコンサルティングを行いたいという場合もあります。コンサルティングスキルが高いマーケターの中には、独立を選択肢のひとつに考えられている方もいますね。

 リーダーになりたいというマーケターは、大企業で先進的な取り組みを行い、その経験を活かして、幹部候補として別の企業に転職するケースが目立ちます。

成岡:実際にマーケターの転職希望者と話をしていると、起業や会社経営を目指したいという方も一定数いらっしゃいます。マーケティングは経営と近いため、将来的には自分で事業を起こしたい、という考えがあるのだと思います。

「コラボレーション」の感覚がマーケターを光らせる

――多くの転職希望者と面談・面接を行う中で、「魅力的だ」「光っている」と感じるデジタルマーケターにはどんな特徴がありますか。

於保:専門的なスキルがあることに加え、隣の部門との連携が図れる人は魅力的です。たとえば、マーケターであっても、エンジニアのことを理解していて連携できる人は重宝されますね。

 「コミュニケーション」というよりも「コラボレーション」に近い感覚で、ただ会話をするのではなく、共同してやっていくという意識が強い人は、光って見えます。

――マーケティングは様々な部署と関わる仕事だからこそ、コラボレーションがカギとなるのですね。デジタル領域という観点では、どんな姿勢が求められるのでしょうか。

於保:デジタルマーケティングの領域は変化が激しいので、自ら学び、新しいことをキャッチアップできる姿勢は欠かせません。

 また、バズワードの裏側にある目的を考えられることも大事です。「MA」や「DMP」という言葉ひとつをとっても、それが何のためにあるのかを語れるかどうか。そういった意味を自分なりに説明できるとよいと思います。これは、組織に対しても同様で、AIやIoTの存在意義を組織全体で認識しなければ、なかなか導入後の取り組みは進みません。

 理想としては、マーケティングの根幹を意識して顧客視点に立ち、企業の都合でチャネルが分断している状況を打開しようという姿勢を持ちながら、ステークホルダーをちゃんと見て適切にものごとを進めようとする姿勢も大切にすることだと思います。

正社員、契約社員そしてフリーランスにも対応する「Symbiorise」

――実際に転職を検討しはじめたときに、パートナーになってくれるのが求人サービスやエージェントだと思います。於保さんご自身も転職の経験があるとうかがいましたが、どのように活用していたのでしょうか。

於保:仕事の紹介という側面だけでなく、情報収集や考えの整理という点でも活用させていただいていました。自分の希望を自分なりにまとめた上で、深掘りしたいことを聞くと、親身になって答えてもらえます。

 私の場合は、面談前に先方担当者の嗜好性を教えてもらえたのがよかったです。エージェントは、様々な企業側のニーズを把握し、候補者が成功したケースも失敗したケースもたくさん見ています。エージェントの価値はそこにあると思います。

 自分がエージェントの立場になってみて思うのは、キャリアアップのための相談やアドバイスの場と捉え、ざっくばらんに相談してよいのだということ。漠然と「転職したい」と思っている時こそ、相談することで自分の中で整理がつき、次の行動を起こすきっかけを得ることもできます。話をしながら「のっている自分」に気づくと、それが答えだと確信できるのではないでしょうか。

――貴社の求人・案件紹介サービス「Symbiorise」の強みを教えて下さい。

成岡:まず、マーケティングの中でも「デジタルマーケティング」に特化している点が特徴です。データを基にマーケティングをしていきたい、AIやIoTなどの新しい技術をマーケティング活動に活かしていきたいという方とは、相性が良いと思います。

 また、柔軟な働き方を支援できる点が強みです。正社員だけでなく、契約社員として就業する求人や、フリーランスの方向けに短期や期間限定の案件もご紹介できます。

於保:なぜこうした支援ができるかというと、「Symbiorise」では、企業側が欲しい人材を定義し、転職希望者をマッチングするという「エージェンシー」の機能に加えて、企業のデータ活用業務を担う部署を丸ごと編成する「データプロデュース」の機能も担っているからです。枠を埋めるだけでなく、枠そのものを作るサービスも行っているというイメージですね。

 「データプロデュース」では、要望に合わせて弊社のマネージャーが企業の中に入り、チームを編成して仕事を回していきます。そこに入っていただく弊社の契約社員やフリーランスのメンバーを、「Symbiorise」で募集しているのです。

 このサービスの需要は拡大しており、最近では大手自動車会社に常駐しながら、ツール選定をはじめ、提案やプレゼンを行うケースがありました。フリーランスや転職希望者の皆さまには、様々な案件をご紹介できると思います。

成岡:プロデュース機能をもっているからこそ、企業が取り組もうとしている先進的な事例や、スキルや人材のニーズに関する知見も豊富です。

面接官に響くスキル・経験の伝え方

――様々な情報を収集し、いよいよ企業との面接となった時、これまでのスキルや経験をどのように伝えれば面接官に「響く」のでしょうか。

於保:行動だけでなく、その背景を語るのがコツですね。なぜ、何を、どのように、をきちんと組み立てて語る必要があります。「このツールやプログラミング言語を使えます」というだけでなく、それを使って何をしたか、何ができるのかが一番大切。それをアピールしてほしいです。

 先日、面接官の方が、「Googleアナリティクスを使っていたということなので、ではこの画面から何を読み取れるかコメントをください。このサイトだと、どんな目標設定、カスタムディメンションの設定をするとよいと思いますか」と突っ込んだ質問を候補者に投げかけ、その回答次第で適切な思考がともなっているかを判断する、というケースがありました。

 また、このところ、企業側には、BIを全社に浸透させたいというニーズが出てきています。その時に、スキルの話に加えて、「自分が使ってみて実績事例を啓蒙し、ツールの効果を伝えていった」とか、「組織横断で使える仕組みを考えた」というエピソードがあれば、ぜひアピールすべきです。

――若手層や、マーケティング未経験者からは「なにを話せばよいのかわからない」という声も聞かれます。

成岡:若手の方は、マーケティング部門の中のひとつの業務を担当している人が多いと思います。オペレーティブな業務になりがちな中で、「他のやり方はないのだろうか」とか、「さらに効率のいい方法があるのでは」と疑問を持って改善した経験などの話は魅力的ですよね。オペレーティブな業務以外でも、能力を発揮できる人なのだということが伝わるからです。

於保:ルーチンの作業をどう改善し、+αの仕事を作っていったかという点も大切ですね。先ほどの「背景を語ること」と通じるところですが、「自分は全体の中でどの部分を担っているのか」を少しでもわかっていると強いと思います。

成岡:マーケティング未経験者に関しては、最近面談をした方が、SEOの営業から事業会社のマーケターへと転職できました。

 その人が面接で話したのは「お客さんの課題は何なのか」「我々が提供できるものは何なのか」を深掘りして洗い出し、改善していった過程。漠然と仕事をしていたわけでなく、PDCAサイクルを回しながら、受注を増やしていったということを丁寧に伝えたのです。

 その結果「マーケティングの知識はないけれど、この人ならできるだろう」ということでマーケターとして内定。「筋道立てて考えられている」ことが伝わり、高評価につながったのだと思います。

キャリアを見つめなおすパートナーに

――最後に、MarkeZineの読者にキャリア・転職に関するアドバイスをお願いします。

成岡:キャリアを考えるにあたって客観的な意見は大切ですが、自分で考えると、どうしても独りよがりになってしまったり、偏ってしまったりということもあると思います。自分の市場価値を見つめ直したいときや、企業がいま求めている人材について知りたいときは、気軽に相談してほしいですね。

――「Symbiorise」は今後、どのように発展していくのでしょうか。

於保:私は「Symbiorise」を通じて、多様な働き方を支援していきたいという思いをもっています。たとえば、フリーランスの方がひとりで動かなければいけない場合や、チーム作りをしたいときに活用してもらい、「プロフェッショナルなフリーランス」が活躍できる場を提供したいですね。

 これからは、ひとつの企業がコンペを勝ち取りすべてを担うのではなく、様々な立場の人がコラボレーションしながら、連合軍として戦っていく時代になるはずです。「Symbiorise」がそのお手伝いをできれば、これほど嬉しいことはありません。

現在、クリーク・アンド・リバー社では、デジタルマーケターのキャリア相談を積極的に受け付けています! 詳細はこちら

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2019/05/31 16:01 https://markezine.jp/article/detail/30406